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「最近暖かくなってきたね」
「そうだね。早く夏が来てほしい!」
「ラウールくん夏好きなんだ?」
「うん。毎年さ、僕とお兄ちゃんとお姉ちゃんと、隣に住んでる幼馴染の蓮くんと4人で一緒にすいか食べて、その後近くの公園で花火するっていう恒例行事があって」
「へえ、楽しそう!」
「でしょっ?」
.
「あれー?Aさん?」
そんな声が聞こえてきたのは、話が弾んでいる最中だった。
見慣れない、赤チェックの制服を身に纏った女子高校生3人。
彼女たちを見て、Aさんの顔がどんどん曇っていく。
「久しぶりー、元気だった?
てか元気そうじゃん。女子校辞めて男子と下校してて」
「いいなあ羨ましいー」
「Aさんでも男子と話せるんだ」
誰、この人たち。
初めましてだけど、ものすごく感じが悪い。
すると彼女たちが僕を見て「こんにちはー」と、対照的に笑いながら挨拶してきた。
「Aさんの中学の同級生です」
「まあうちら、Aさんに一方的に嫌われてたけど」
「...どうも」
「ちなみに、今高2でーす」
.
え?
同級生で高2。
僕が驚いたことに満足したのか、どんどん彼女たちは話し始める。
.
「あ、もしかして知らなかった?Aさん、登校拒否で2回中2やってるの。
だから本当だったら今高2なんだよ」
「急に学校来なくなったよね、うちら何もしてないのに!」
「でも登校拒否のこと、やっぱ男子には言えないんだ」
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作者名:キキララ | 作成日時:2022年12月1日 17時