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部活を終え、いつも通り帰ろうとしたある日。
「ラウ！」
聞き慣れた声が背後から聞こえ振り向く。
お姉ちゃんとAさん、そして阿部先輩が３人歩いていた。
「ラウお疲れ」
「うん」
「お久しぶりです、阿部です」
「こんにちは。
あ、Aさん。この前はありがとう」
「ううん」
笑顔を返してくれたAさん。
するとお姉ちゃんがちょっとわざとらしく、何かを思い出した顔をする。
「私、康二と蓮と帰るから！みんなじゃあね！」
「お姉ちゃん、康二くんに僕紹介するって、」
「それ、また今度！じゃ！」
お姉ちゃん、もしかして僕とAさんを一緒にさせたいとか思ってる？
取り残されたのは、僕とAさん、そして阿部先輩。
「深澤さん、本当康二と仲いいよね。めめもだけど」
「阿部先輩知ってるんですか？」
「うん、２人もクラス一緒だし。じゃあ俺これから塾だから、失礼するね」
「え、」
「じゃあねA、また明日。ラウールくんも」
「はい、」
「お疲れさまです」
笑顔で両手を振った先輩の後ろ姿をAさんは少し見つめてから、僕に目線を向ける。
いつの間にか２人になってしまった。
どうすればいいんだろう、蓮くんにでも教えてもらいたい。
「ラウールくん、駅方面？」
「うん。Aさんは？」
「私は電車通学だから、...途中まで一緒に行く？」
「う、うん！」
僕から言うべきだったんだろうけど、ちょっとラッキーな気がした。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2022年12月1日 17時
