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俺が振り返る瞬間
目に映ったのは左に吹き飛び
床に打ち付けられた
人型のナニカだった
というのも
目視だけでは
人間だ
とでも判断するだろう
が、俺の場合
悪寒を感じた瞬間
左の拳を握りしめ
左へ振り返るとともに
そのナニカへと
裏拳を食らわせたのだ
悪寒からなんだかは察せなかったが
体がそう動いたのは
自身のどこかでそうしなければならないと
無意識に思っていたからなのだろうか
そして裏拳を食らわせた左手の甲には
冷たい様な
生暖かい様な
なんとも言えない
黒い液体に塗れているのだ
それは宛ら
糊のように執着で
溶かしたチョコレートのように
ドロドロと流れ落ちていく
そこに混ざり合う
フルーツの如く
微かに柔らかみを残した個体が
その手の甲にしっかりと張り付いているのだ
「っきゃぁぁぁ!!」
ここにいる唯一の女子の
この空間ごと切り裂いてしまいそうな
声が上がった瞬間
俺は理解した
「う、げ…」
何とも気に入らない男の声が耳に入った瞬間
俺は目視した
「これ…ぅえ…」
気の弱い彼が声を上げては
嗚咽を漏らした瞬間
それは体を起こした
「きも、ち、わりいな…」
先輩の声が聞こえた瞬間
俺は
起き上がったそれに
拳一つ分穴を作っていた
その穴に自分の右の拳がしっかりと埋まり
鼻を劈くような腐った血清の臭いは
俺の頭を狂わせるには充分だった
知らない
自分の知らない感触と光景が目の前に広がる
やっすいホラー映画みたいな
そんな光景
このたった数秒で何が起こったか
理解できないほどに頭を狂っていない
だが
自分の意志なのか
無意識なのか
拳から離れたそれの潰れた頭の上へ
靴すら履かない足を運んだのだった
「おい!!征!!」
足がその頭を踏み潰す直前
花宮先輩に優しくなく
寧ろ乱暴に肩を引かれ
数秒もせずに
視界は低くなり
腰に痛みが走った
『いっ…た…』
そこで漸く自分のしたことを理解したのだった
「おい、大丈夫か」
それはもう、先輩の声が遠く聞こえるほどに
自分の両手は赤黒く染まり
洗っても消えないだろう匂いが
こびりついている
『あ、先輩…』
放心したように両手を見つめては振り向き
焦点の合わない目を向ける俺を
花宮先輩は何も言わず襟首を掴んで立たせ
「来い」
そう一言だけ零し
俺の袖を掴み引いていった
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津荼龍歌(プロフ) - 米津さんとクトゥルフネタがしんどい好き (2018年3月20日 1時) (レス) id: e87433e632 (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - ラエル@花宮はゲス友さん» すいません!報告ありがとうございます! (2018年1月30日 7時) (レス) id: c9f647c462 (このIDを非表示/違反報告)
ラエル@花宮はゲス友(プロフ) - 誤字発見先頭が戦闘になっていました此の侭では花宮が戦っている様になってしまいます (2018年1月30日 7時) (レス) id: ee2e4c253f (このIDを非表示/違反報告)
緋色(プロフ) - まこ*カカオさん» おん、了解。テスト頑張ってね(´▽`) (2017年11月10日 22時) (レス) id: c9f647c462 (このIDを非表示/違反報告)
まこ*カカオ(プロフ) - 緋色さん» ありがとー!テスト近いからしばらく絡めないけど、よろしくね! (2017年11月9日 19時) (レス) id: 328fda7617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋色 | 作成日時:2017年3月5日 17時