２ ページ21
傘は地面に落ちて、すっかり服も身体も濡れてしまった。
…勘弁してくれ。
『…ごめんなさい、そういうの困る…』
｢こうしてこんな住宅街で出会えるなんて光栄です！！｣
『あ、ありがと…じゃあ…』
とりあえずここから逃げよう。
どっか人通りの多い場所へ行って、撒いたらいい。
…とは思ったけど、現実はそんなに甘くない。
｢ボクの家、案内するよ｣
『えええ…ちょっと待って…』
引きずられるようにして腕を引かれる。
思っていたより自分が冷静で少し驚いた。
こんな落ち着いてる場合じゃねーんだよなっっ！！！！
｢すぐ近くだから！｣
『いやまじか…えっと、あの、待って。待ってください。ねえあの…』
スニーカーの底が擦り切れるような音。
こういう時に力無いのって不便。自分の無力さがムカつく。
『まじですか。ねえ、ダメだよ帰らせて…』
こういう時の110。
両手塞がれてたらスマホも届かない。
そもそもどこに入れたっけか。
…住宅街だから叫ぶべき？
勇気を振り絞って叫ぼうと、思い切り息を吸った時、
涼介｢…は？A？｣
『…やまちゃ…、！んっっ！！』
驚きやら色んな理由もあったけど、自然と大きな声が出た。
口は塞がれたけど。
涼介｢…なにやってんの。警察呼びますよ｣
冷たい声でそう言い放った山ちゃんに、その男はハッとして逃げ出してしまった。
涼介｢あ、やっべ！｣
『うぉえ…息止まるかと思った…』
慌ててスマホを取り出して連絡する山ちゃんに反して、私は濡れた髪の毛をかきあげながら浅い呼吸を繰り返した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 706人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梓(プロフ) - ぱぴこ。さん» いえいえ…。大丈夫です。了解しました。体調に気をつけて更新、頑張ってくださいね?応援してます(o^o^o) (2019年12月27日 2時) (携帯から) (
レス) id: db94f04552 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ。(プロフ) - 梓さん» 返信遅れてごめんなさい！リクエスト大丈夫です！！ (2019年12月23日 20時) (レス) id: 443f735227 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - リク、大丈夫ですか??こちらでも、結木ちゃんとけーととの絡み見てみたいです。まぁ、ダメなら消してもらって構いません。 (2019年11月21日 22時) (レス) id: 1524a2bcba (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - すーさん» 良かったです!!リクは今のところないのでありしだい、よろしくお願いします。 (2019年11月16日 16時) (レス) id: 1524a2bcba (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 梓さん» 認知してます！こちらでもありがとうございます〜！受け付けてますよ！ (2019年11月15日 17時) (レス) id: 443f735227 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
