第92話 時限 ページ3
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「ありがと」
「は?」
「話聞いてくれて、あと深く聞かないでくれて」
かっちゃんには私が不老不死なのは個性とは別の話だと過去に伝えてある。でもそれだけだ。
他にも秘密はあるけど彼が知っているのはそれだけで、ただ私が抱える秘密の存在を察している彼はいつもそれを知りたそうにしていた。
なんだかんだ「今は許す」と言って聞かないでいてくれているのだ。
胸が痛む時もある。でも、彼が必死で生きているこの世界が人に操られているのだと知ったらどうなるか、私には分からないから。
「お昼過ぎまで、ごめんね」
また明後日、と言い残し小さく背中を向けた。振り返った時に靡いた髪の毛が頬を擦って擽ったい。そしてひとつに纏めていた髪は肩に乗った。
手で退けようとすると、後ろからかっちゃんが私の名前を呼んだ。
「俺だってなあ……──」
「ん…?」
風の音でかっちゃんの声が届ききらない。反射的に聞こうと体が動き、来た道を数歩戻る。そうすれば、眉間に皺を寄せた彼が真剣な顔で私を見つめた。
「我慢の限界があんだよわかってっかテメェよ」
ぐわああっと唸りながら彼は自らの髪の毛をわしゃわしゃ崩し出す。そして鋭く真っ直ぐな目で私の視線を離してはくれなかった。
「1週間以内に全部教えろ」
逃げるな。
と、そう言われてるみたいで恥ずかしくなった。
ついに指摘されてしまった。もう時間が近付いているのだと実感させられる。
私の夢、目標は皆を守ることだ。その為に努力をし続けている。そして1秒1秒を過ごすうちに色んな人と対面し危機に遭遇する。それは漫画の中で証明されていた。
敵連合、死穢八斎會、ステイン、オール・フォー・ワン。
オールマイトの娘として生きた。雄英に入った。
つまり、そういうことだ。避けては通れない。
近いうちに、少なくともA組の皆には必ず真実を述べることになるのだ。
「うん、分かってるよ」
「1週間以内ってのは無理だけど嘘は吐かないから!」
近所迷惑にならないように声を抑えながら曲がり角の手前で叫ぶ。
私が見えなくなるまで見送ろうとしてくれていたらしいかっちゃんは額のあたりに鍵括弧3つが背中合わせになったような怒ったマークが見えそうな勢いで腕を振り回した。
「んなこと分かってんだよ舐めてんのか!?あﾞぁ!?」
さっさと行っちまえ!!と近所の事などまるで配慮しない大声で叫ばれて、私は手を振りながら角を曲がった。
帰り道は、とても長く感じた。
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しろこ(プロフ) - 夏終朝凪さん» こんばんは。コメントありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです…。今はこの作品と同時に更新している作品の方にいい感じの波が来ていてそちらに力を入れていますのでぜひそちらも！｢転生、そして不老不死。｣の更新も忘れた訳では無いので次の更新お楽しみに！ (2020年2月7日 0時) (
レス) id: ad3f1db81f (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きがすごく楽しみです！とても面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます(*´▽｀*) (2020年2月6日 19時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
しろこ(プロフ) - 桃色さん» ここまで読んでコメントまでありがとうございます(´ｰ｀)すっっっっっごく嬉しいです:-)これからも不定期にはなりますが楽しんで更新していこうと思うのでよろしくお願いします:-) (2019年6月20日 18時) (レス) id: ad3f1db81f (このIDを非表示/違反報告)
桃色 - ほう続きがスッゴい気になります!!更新全裸待機です! (2019年6月18日 23時) (レス) id: 31c03fdbb7 (このIDを非表示/違反報告)
しろこ(プロフ) - まめでんきゅうさん» こんばんは！お返事遅くなってしまってごめんなさい！あたたかいコメントありがとうございますしらこです！( ´ｰ`)めちゃくちゃ嬉しいです…これからも頑張ります( ´ｰ`) (2019年4月22日 22時) (レス) id: c28038ff9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろこ | 作成日時：2018年2月2日 15時
