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人が少なくなった車内で、真っ暗になった外を眺めて電車に揺れる。
外は雪が降りしきっていて、都会は離れたものの、星ひとつ見えやしない。
現在時刻19:00頃。あと3時間ほどであの保護施設だ。
今日は10くらいに仕事を切り上げて新幹線に乗っている。
酔いにも慣れて、睡眠もとったのでなんだか冴えた感じだ。
新幹線を使ってもなお1日ほどかかるこの距離を、あの子は切り抜けた。
いまだに信じられないがな…。
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里親を希望します。
そう言ったあの日の電話。
伊沢たちのエールに親の承諾。
生半可に終わらせやしない。
俺はあの子に『不思議だ』という感情は湧いているけれど、
それ以上に
大事にしたい存在だった。
笑った顔や俺の飯を食ってくれたこと。
そんな奴にもう辛い思いをして欲しくない。
身を投げ出して欲しくない。
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現在地:札幌駅
あと、1、2時間で着く。
「寒すぎないか…」
容赦なく降ってくる雪もそうだが、積もった雪の冷たさが体に突き刺さる。
やっとの思いでタクシーに乗るけれど、
今日は地元の人から見ても大雪なようで渋滞が続いている。
手袋をした手をコートの袖に隠して、鼻水が凍りそうになる。
予定時間より1時間遅刻だ…。
あともう少しで着くんだがな…。
待ってる………。
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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時