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「お前は東大に入ったし、もう成人した。」
「お前にも何か考えがあるんだろ。」
「父さん…!」
「許可するよ」
まさかだった。諦めてた。
そのあと母さんも「何かあったらすぐいうのよ」って承諾してくれた。
信じられなかった。
こんな突拍子も無いお願いを聞き入れてくれるなんて。
「ありがとう……」
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そのあと伊沢に報告したら、心配された。
「本当に世話できるんですか」
ってね。
俺だって生半可な気持ちで言ってるんじゃ無いんだって説得して。
本当に里親制度を組むことにした。
「今週の水曜日、向かいます」
施設の人に告げて予定を組んだ。
9歳には俺が来るって伝えないでくれって言っておいた。
サプライズ?喜んで欲しいからな。
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窓の外を眺める。
年下の子がどうしてもっていうから折り紙を折っている最中。
施設の人が話しかけにきた。
その時はお腹の底から熱くなったような気がして、鼓動が早まった。
「あなたの里親希望者が来るわよ」
施設員の人は「よかったね」と言う顔をしながらも少し寂しそうだった。
隣に座っている折り紙を折ってあげた子は「おりがみおってくれないの?」って泣きかけてた。
折り紙のハート。
こんなものすぐ作れる。
それを自分が作るからって言って楽しみにしてくれていたこの子とはもう、お別れか…。
今まで何にも感じなかったのに。
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ピーチフラペチーノ(プロフ) - yuriori12911さん» ご指摘ありがとうございます!すみません全然気づいていませんでした…!すぐ修正します。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
yuriori12911(プロフ) - 多分仮名に あい が登録されているので、「あいつ」の あい が、名前に変換されています。確認してくださると嬉しいです。 (2022年9月25日 4時) (レス) id: 4df0e29a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチフラペチーノ | 作成日時:2021年1月1日 23時