臆病な俺は手に入れたい。【東海オンエア】 (ページ14)

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あー体が重い。

風邪かな、なんて思いつつも、体温計を使ったら負けな気がして、俺は無理やり栄養ドリンクを体にぶち込んだ。

としみつ「…おはよ」

A「あ！としみつくん！！」

スタジオに入るなりAが俺の元に駆け寄ってきた。

としみつ「あれ、帰ってきたの？旅行」

A「2泊3日だったんですよ！」

あ、そうか。

もうAに会わずに3日も過ぎとったんだ。

ぐるぐる考えすぎて毎日が一瞬で過ぎていくせいか、

俺はそんな簡単なことも忘れとった。

A「これ、お土産です！」

Aが俺に小さな紙袋を差し出す。

もしかして、A…

覚えとらん的な感じですか？これは。

あの日の夜、Aと確実にしたキスは、

俺の記憶だけに刻まれたらしく。

Aはあっけらかんとしとるし、特に何か気にしとる様子もない。

としみつ「…ありがとう」

気まずくて逸らしとった目を合わせると、Aがニコッと笑った。

A「どういたしまして」

女の子に酒飲ませてキスしておいて、

最低だって分かっとるのに。

どうしても、そのAの笑顔に、心が踊ってしまう。

てつや「としみつーこの案件のやつさ」

てつやの声がすごく遠くに感じた。

てつや「…？としみつ？！」

気付いた時には俺はその場に倒れとった。