138. キス ページ38
一瞬、何が起こったのか分からなくなるくらい、突然だけど優しいキスだった
触れたと思ったら少し離れて、それからまた優しく触れ合った
背の高いキュヒョンが少し身をかがめるようにしたから、私が自然と彼の顔を見上げたその瞬間ー
なんの心構えもできなくて、ただ目を丸くして、キュヒョンに身を任せる
お互いの顔がゆっくり離れると、一層優しいキュヒョンの瞳を見つけた
「ごめん、つい…したくなった」
「…」
キス、したのだと理解するのに、私の脳は随分と時間がかかっていて
彼と目があってから全身がぐんぐん熱くなる
「A…可愛い」
キュヒョンの大好きな甘い声が優しく囁いてくれるけど
私はもう、何も考えられないくらいに全身が緊張していた
抱き寄せられるわけでもない微妙な距離を保っているのも、余計に恥ずかしい
そんな私の様子を察してくれたのか、彼はホテルのパンフレットを手渡してきた
「お昼はホテルで食べる?レストランもあるし、ルームサービスでもいいよ」
「う…ん」
キュヒョンの唇の感触がまだ残っていて
私は、もうしばらくその余韻に浸っていたいのに
普通の雰囲気にすんなりと戻った横顔を見て、まだ胸が痛いほど高鳴っている自分が、すごく恥ずかしかった
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作者名:Aoi Sakura | 作成日時:2017年4月17日 8時