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太輔と別れ、涙が枯れることもなく、溢れてくる。倒れそうになるのを何とか踏ん張って、ドアを解錠するために、鞄からカギを取り出す。
久しぶりの自分の部屋。
今となってはこの部屋は他人のもののような気がしてしまう。
ずっと住んでいた部屋にも関わらず。
“ここは宏光の家でもあるんだから”
確かにそう言ってくれた。
自分の家は太輔のマンションのような気がしていた。物理的なモノが家なだけじゃない。心の家。それがどんなに温かいものか。知ってしまったから。物理的な家だけじゃ満たされない。衣食住満たされてるはずなのに。欲張りなのかな。
太輔とのことを頭から振り払うように、頭を振り部屋の鍵を取りだし解錠し部屋に入る。
自分の部屋には太輔との思い出があまりない。
「良かった…」
思わずそう呟いていた。
ここにいれば、思い出さずに済むかもしれないと。
思い出す思い出がないのだから。
“ひとつ我が儘言っていい？”
“この部屋さ、今度一緒に模様替えしない？”
しかし全くない訳ではない。
すぐに頭は思い出しその時の光景を写し出してしまう。
それだけしか思い出がないに等しいのに。
思い出してしまう。あの時の太輔を。
…あの時は今思えば本当に幸せだった。
辛いこともあったけど、太輔がすぐ幸せにしてくれた。 笑わせてくれた。
模様替えしようって約束したのに…。
その約束はもう果たされることはない。
玄関でしゃがみこんでしまい、泣きすぎて嗚咽を押さえることも出来ず。
「やだ…別れたくねーよ、…」
どう言えば、引き留められた？
どう言えば、隣で笑っていられた？
どうすれば、太輔は俺のことを離さないでくれた…？
何を言っても無駄だとあの時思った。
だけど、今こんなに後悔するならもっと言えば良かった。
言わなかったこと、俺もう後悔してる…
本当は１ｍｍも離れたくないし、太輔に別れを告げられたことを納得なんてしていない。
そんな風に後悔しながら泣いていると、急に真っ暗な玄関に灯りがついた。
そして
「…ミツ？」
“宏光”
その先にはここ最近隣で呼んでくれていた声ではない声。呼び方。
顔を上げると
「タ･･･マ…」
玉森がいた。
な･･･んで？
なんで、ここにいる？
なんで。
部屋着で、まるで寛いでいたかのようにしてる？
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして！お話読んでくださりありがとうございます！中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(＞＜) (2018年7月11日 6時) (
レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´･･`)本当にご覧頂きありがとうございます！ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね！笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました！ (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです！こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております！ (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね！恐縮です。ありがとうございます！お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω＼)本当にこちらこそありがとうございました！ (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2018年5月27日 14時
