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藤ヶ谷はその涙にも気付かぬふりをし続ける。
「宏光、ごめんな。オレが宏光に気持ちなんて伝えたから…。宏光の幸せを壊したのはオレだ。宏光は充分幸せだったのに、」
「ち、違う！太輔！それは全然違う！俺は今が幸せなんだって！お前といれて本当に幸せなの！」
北山は必死に藤ヶ谷の腕を掴み訴えかける。
「よく考えたんだ。お前の居場所はずっと昔から…今も、玉森の隣だと思う。楽屋に二人で入って来た時そう思った。本当にお似合いで」
藤ヶ谷はそれに応えることなく続ける。
「…俺は太輔の隣にいちゃいけねーの？俺らはお似合いじゃないって言うの？ファンの子は認めてくれてんのに？」
何を言っているか北山は自分でさえ分からない。
北山の目からは涙が溢れ出す。急の出来事、予想外な出来事に思考がついていかない。
「…こんなに好きなのに…？」
そのまま藤ヶ谷に北山も無理矢理抱きついた。
失いたくない。
太輔がいないと生きていけない、北山は本気でそう思っているから。プライドなんて捨てられる。
「お前がいないと俺無理だよ、太輔が俺のことを好きじゃなくてもいい。だから捨てないで、そばにいさせて」
藤ヶ谷の言葉も待たず、北山は必死で続けた。
「…宏光、好きだよ。愛してる」
「…なら！」
藤ヶ谷の弱々しい声が北山を安心させた。
その声色は本当に愛しそうで切なさを帯びていた。
「でも、一緒にはいられない」
しかし、すぐに突き落とす。
奈落の底に突き落とされる。
「な、んで！」
「…宏光といると、オレが辛いんだ…、ごめんな」
「………！」
藤ヶ谷は思ってもいないことを口にする。北山が離れていく方が辛いことなのに。一緒にいれることは幸せなことでしかないのに。
こうやって言えば、優しい北山はきっと何も返せない。それを藤ヶ谷は分かっていた。演技で北山を突き放せばいい、冷たくすればいい。
離れさせるのはそれが一番だと藤ヶ谷は分かっていたけど出来なかった。
愛してる人に例え演技でもそれは…出来なかった。冷たく突き放すことの方が優しさかもしれないと分かっていても。
「…ずるいよ、太輔…」
「・・・」
「そんなこと言われたら…何も言えないじゃんか…」
そんな顔をさせたかった訳じゃない。
北山は涙を拭くこともせず藤ヶ谷にすがって抱きついたまま。きっとこれが最後の抱擁だから。恋人としての。一緒にいて辛いと言われてそばにいれる訳がない。
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もも(プロフ) - スケベ面さん» スケベ面さん はじめまして！お話読んでくださりありがとうございます！中編が見えないのですね<(_ _)>すみません、フラグを立てていますので年齢の関係かと思われます。大変大変申し訳ございません(＞＜) (2018年7月11日 6時) (
レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
スケベ面(プロフ) - 前編を読ませていただきましたっ切なくて続きが見たいのですが作者様の全作品を見させていただいたのですが前編後編しかありません(><) (2018年7月10日 8時) (レス) id: 909d98024f (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ふじみつさん» ふじみつさん 終わってしまいました(´･･`)本当にご覧頂きありがとうございます！ハラハラさせてすみません<(_ _)>疲れますよね！笑 こちらこそ幸せを感じて頂けて光栄です。本当にありがとうございました！ (2018年6月3日 1時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ふじみつ(プロフ) - あ〜〜終わってしまいました。ずっと切なくてハラハラして。。藤北玉の3人の純情が苦しくて幸せを祈りながら読んでおりました。2人が幸せになれて本当に良かったです！こちらまで幸せになれました。ありがとうございました。次のお話しも楽しみにしております！ (2018年6月2日 23時) (レス) id: c46653f4f4 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶぃ〜さん» ぶぃ〜さん 久しぶりにリアルな二人をご覧頂いたんですね！恐縮です。ありがとうございます！お話に入り込んで頂けたなんて嬉しいです(/ω＼)本当にこちらこそありがとうございました！ (2018年6月2日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2018年5月27日 14時
