フラグ71 ページ32
「中也なら軍警が突入する直前に別れたよ。
曲がりなりにも彼はマフィアだからね」
軍警察との打ち合わせを終えた太宰が、Aの視線を追って目を細めた。
「良い機会だ、Aちゃんに横浜の異能者を把握してもらおうかな」
いつのまにか日は傾いていた。
ただ穏やかに、太陽が落ちていく。
大規模な事件だった。
それも、もう、終わったんだ。
Aは体の力が抜けていくのを感じた。
太宰はそれを受け止めて、また今度かと呟いた。
「解決しようと強く思えば、異能の出力が高まっていく。ましてやこの規模の事象を動かそうと思ったら、ね」
上手く調整出来るようになれば良いのだけど、という小さな言葉は夕日に溶けた。
『ああ、あの感じが異能を使うってことなんですね』
ゆっくりと立ち直ると、Aはすっと前を向いた。
『異能、か......』
両手を見つめた。きっとまだ、小さいのだ。
『太宰さん』
「ん?」
『教えてください、異能の事』
「ああ。いいとも」
Aの成長の予感を感じた太宰の胸に、また一つ小さく熱が灯った。
ふとAがスマホを取り出すと、不在着信が山のように届いていた。
『うっ、申し訳ございません父上......』
「家族の安心の為にも、勉強は必要みたいだね?」
慌てるAと苦笑いの太宰。
それを眺めていた中原は、一人静かに夜へ帰っていった。
.
1068人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー!お褒め頂き光栄です......!ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので!応援よろしくお願いします! (2019年2月11日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね!ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…!!丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます!更新頑張ってください!いつまででも待ってます! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね!他校の部活の様子を聞けて嬉しいです!コメントありがとうございました!! (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます!!!!もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい!、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花岳 | 作成日時:2018年1月10日 23時