愛され男子Hokuto.M

もう、避けない ページ43

大我Side









明らかにおかしい。







皆が俺に何かを隠している。







兄ちゃんが、家を猛スピードで飛び出したあの日から。








兄ちゃんは、結局あれから一週間一度も家に帰ってこない。







樹は、病院の自分の指導医の先生が忙しいからそのお手伝いに回ると連絡してきたきり。








北斗は、そもそもずっと家に帰ってきていない。







ジェシーは、今まで全然興味がなかったはずの家事や料理の勉強をし始めた。








慎太郎は、俺と合わないためになのかご飯とお風呂の時以外は部屋から出てこなくなった。








ここまで、絶対にありえない状況が続くとさすがに俺だって気付くよ？








きっと北斗が、悪くなって病院に入院してるんでしょ？








で、その担当医が俺の良く知ってる阿部ちゃん先生で。








その阿部ちゃん先生の担当の研修医が樹で、だから多分忙しいんだろうな。








兄ちゃんは、一番上だから一番最初に電話がかかってくるだろうし、多分リビングで受けてたあの電話がそうだったのだろう。









で、そのあとはずっと付き添ってた。









で、その代わりに家事を任されたのが、何でもそつなくこなすジェシーだったってわけだ。








慎太郎が俺を避けていたのはきっと、兄ちゃんか、阿部ちゃん先生あたりから、絶対に言ってはいけないと口止めされていたからだろう。









慎太郎は、兄ちゃんに怒られることを異常に嫌がるから。









そして、兄ちゃんが俺に言うなって言った理由はきっと、俺が小さいころから病院にいろんなトラウマがあるのを知っているから。









せっかく、最近は発作が出ていなかったのに今パニックになって発作になってしまえば、今までの頑張りが水の泡になるから言わないでいてくれたんだろう。









でも、もう俺は逃げないよ？








俺だって、もう子供じゃないんだから。









こんなんじゃ頼りないかもしれないけどさ。









たまには俺にも頼ってきてよ…

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