友と、かるたと、青春と。 (ページ9)

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裏…？ページ9

神side

永「じゃあ…かるたやるヤツの記憶力がすごいなら、全部裏返してやってみてや。」

平「いいよ。じゃ、ジンとやるから見といてね！」

神「え。紫耀、マジでやるの！？」

廉が納得するなら！とかるた並べて、俺が紫耀と向き合って15分の暗記時間スタート。

岸「行きまーす！なにわづに〜…。」

岸くんが読み、俺と紫耀は順調に取っていく。
最初は記憶が新しいから、ある程度は取れる。送り札が増える後半…どれだけ集中できるかだよなぁ。

後半に入った時…。

岸「紫耀、お手つき！」

海「え！？紫耀が！？珍しい…。」

あの滅多にお手つきしない賭ケグルイならぬ、かるたグルイの紫耀が……お手つきした！？

そこから、またお手つきを連発する紫耀。待てよ…コレ。俺、紫耀に勝てるんじゃね？

紫耀にいつものキレがない事に気づき、俺の闘志が急に燃え始めた。

高校に入って、まだ1度も紫耀に勝ったことがないのだ。

 暗記に自信がある俺は「札動かします」と紫耀に勝負を挑んだ。

平「あ、おい。ジン！動かすなよ！！」

焦る紫耀。試合中にこんなにオドオドしてる紫耀、今まで見た事ないかも…。

廉「…札、動かしてええの？」

海「うん！自分の陣の札は動かしていいよ！」

神「紫耀、かかってこいよっ！！！」

俺は、紫耀の目をじっと見つめて煽るように言った。

紫耀はチッと舌打ちしてから、かるたと向き合った。

岸「なげきつつ〜…」

結局、勝ったのは…

平「勝った！あっぶねぇ〜。ありがとうございました。」

6枚差で紫耀が勝ったのだ。

神「くそぅ！悔しい…ありがとうございましたぁ…！」

海「惜しかったね、ジン！」

岸「いや、でも紫耀が裏返しかるたに強くない事を知れたぜ！！」

平「あっ…廉は？廉、待てよ！！」

廉は、さっさと部室を出て帰ろうとしていた。俺は廊下を走って、廉を引き止めた。

神「廉！何で帰るの！？」

永「いや…さっきの凄かったやん。でも、俺にかるたの才能なんて無いから…。」

神「才能なんて俺だってねぇよ！！でも、頑張ってやってんだよ。1枚2枚3枚と札が取れた時、マジで嬉しいんだって…！！」

俺は俯いている廉の肩を掴んで言った。

神「そうだ、廉！明日は最終日。せっかくだから裏返しかるた、紫耀とやってみてよ！」

永「…無理やろ。」

神「どうかな？紫耀は裏返しかるた、お手つき連発で弱そうだし。廉なら勝てると思うよ。」