友と、かるたと、青春と。 (ページ7)

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お見通しページ7

平side

忘れられない別れの日…。

玄「一緒に…かるたをしてくれて…ありがと…紫耀も神宮寺も…でも…多分もう会えない…。」

玄樹はかるたを握りしめ、俯いた。

平「何でそんな事、決めつけるんだよっ！」

紫耀は、玄樹の両肩を強く持った。

玄「え…？」

廉「…会えるんじゃないの？」

平「会えるよ！かるたを続けてたら絶対、また会えるよっ！！」

紫耀は、鋭い眼差しで玄樹の肩を揺さぶった。

神「玄樹。次会う時は、大会でな！」

神宮寺は、笑って玄樹の頭を優しく撫でた。

海「俺、玄さんに頑張って勝つからね！！」

廉「俺も…！」

末っ子2人が玄樹の前におずおずと出て、宣言した。

玄「ふふっ…！負けないよ！！」

その時の玄樹の笑顔は、その場の空気をふんわりさせるような暖かい笑顔だったなぁ…。

その笑顔を見た瞬間、俺の目標には「かるたを続けて、玄樹とまた会う」が追加されたのだった。

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永「なぁ…。紫耀、聞いとる？？」

平「んぇ？なに…？」

廉は紫耀のとぼけた顔を見て、小さくため息をついた。

永「紫耀…なんか昔のこと、思い出してたやろ？」

平「なんで分かったの？廉って、超能力者？」

廉はフフッと微笑むと、紫耀の手の中に佇んでいる1枚の札にそっと触れた。

永「何年一緒におると思ってるん？紫耀の考えてる事なんて、お見通しや。何て考えてるんか分からん時もあるけど…。」

紫耀の手の中にあった札は下の句「われてもすゑにあはむとぞおもふ」が書かれていた。

…玄樹の得意札だ。

神「岩にせき止められた流れが二つにわかれてもまた一つになるように、あなたと別れてもいつかはきっと逢おうと思う…っていう歌。」

海「へぇ〜！何それ、深イイ〜！！」

岸くんと神宮寺はお互いに「懐かしいな。」「…そうだね。」と昔を思い出しながら、言葉を交わした。

　

平「玄樹、げんきかな？会いたいな…。」

窓に向かって微笑みながら、呟いた紫耀の横顔を廉は、そっけない態度で見ていた。