友と、かるたと、青春と。 (ページ21)

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Misbehave ページ21

平side

次の日の朝。紫耀の弟のりくは、兄の紫耀を起こしに部屋に向かった。兄は朝が弱いので、いつも弟が兄を起こしているのだ。

り「兄ちゃん、起きて。って、あれ？廉くん！？」

兄の隣には、友達の廉くんが気持ちよさそうに兄の腕枕で寝ていた。隣の兄は廉くん
の体をぎゅっと抱きよせて寝ている。

この様子を見て、弟のりくは「兄ちゃん、廉くんをいつから抱き枕にしたんだ！？」と目を丸くした。

り「なぁ、兄ちゃん！今日始業式だろ。起きろー！」

平「うぅ…おれの…ぬれおかき…むにゃむにゃ…。」

寝起きが悪い兄に、ダメだこりゃ。と弟は頭を抱えた。次は、隣の廉くんを起こすことにした。

り「れ、廉くん？朝ですよ。起きてくださーい。」

弟は、遠慮がちに廉の肩を優しく揺さぶった。

永「んぅ…。」

なかなか起きてくれない…。廉くんも朝が弱いようだ。ってか、廉くんが着てるの俺のパジャマじゃね？貸したのかな？別にいいけど…。

り「いや、起きないんかーい！！」

「もう知らんよ？」と弟は呆れて、自分の支度をして学校に向かいましたとさ。

紫耀はジンからの「紫耀、今日、始業式。」というLINEで今日が始業式だということを思い出して跳ね起きた。

平「やばっ！！れんれんれんれんれん！！」

永「ん…？」

平「遅刻遅刻遅刻遅刻！！」

永「……マジマジマジマジ？」

廉と紫耀は速攻で支度して、家を出て学校へと足を進めた。

「どうせ今から行っても遅刻だし、ちょっと寄り道しない？」

交差点で紫耀は、いたずらなアイデアを思いつき、廉に問いかけた。

「ええよ。」と廉はすぐに承諾した。

あれ？意外だなぁ…。廉はテストで学年1位を取るほどの優等生だから、てっきり断るのかと思った！！

紫耀は廉を連れて、いつもなら交差点を右に曲がる所を学校と反対側の左に曲がった。

目の前に大きなショッピングモールが見えた時、優等生を連れ回す事に罪悪感が出てきて「廉、本当によかった？ごめんね、連れてきて。」と紫耀が言うと、廉は微笑んだ。

永「俺、なんか今ワクワクしてる。それはクリスマスシーズンだからとかじゃなくて…。」

平「じゃなくて…？」

永「こんなやんちゃな事するの、初めてやからかな！」

廉は、子どもみたいに無邪気な笑顔を見せた。

　
よかった！俺にとっては、こんなの全然"やんちゃ"に入らないけど。"やんちゃ"になった廉が楽しそうにしていて、安心した。