友と、かるたと、青春と。 (ページ12)

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アンコールページ12

神side

紫耀が取った札は「つゆにぬれつつ」
廉が取った札は「あめにぬれつつ」

似てるぞー！？なんてややこしいんだ…。

岸「これは天智天皇の歌。秋の田の仮庵の庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ。」

つまり、紫耀が勝った。最後の1枚、覚えてなくて勘で取った紫耀が…。

廉は「くそぉ…！ミスったぁ！」とその場で頭を抱えて畳を叩いた。

平「ラッキー！廉、惜しかったねぇ？」

廉は「悔しい…。」と涙ぐんでいた。そんな廉の頭を紫耀は優しくポンポンとした。

神「これは、悔しいわ…。」

海「廉、よかったよ！かっこよかった！」

涙目になってる廉をすぐさまフォローする俺達。

廉が起き上がり、さぁコレで体験入部も終わりかぁと思った時…

廉の一言で、その場にいたみんなが固まった。

永「もう一回や…。」

神・海「え？」

岸・平「ん？」

永「もう一回や。もう一回やるって言うてんねんっ！！」

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神side

延長戦。

廉の一言にかるたバカの紫耀も火がついたようで…。

平「おぉっ！！おい、岸くん！クラブ延長届、出してこーい！！」

紫耀が岸くんの背中を押した。いや、延長届なんて出した事ないから、出し方分かんねーよ！！！と慌てふためく岸くん。

神「岸くん、早く！今日まで廉さまの言うことは絶対なんだよ！」

海「岸くん、俺と一緒に行こう！」

そういうわけで、海人と岸くんは初めての延長届を出しに職員室に向かった。

次は俺が読み手になって、廉の裏返しかるたリベンジ戦がスタートした。

永「よろしくお願いします。」

平「よろしくお願いします。」

両者は鋭い目つきで、静かに向かい合う。

前半戦は取ったり取られたり…紫耀と廉は汗をかきながら、戦いに挑んだ。

後半戦。さっきと明らかに違うのは、紫耀のお手つきがないこと。

海「紫耀、容赦ないね…。」

岸「さっきと同じ50枚だし、置いてある場所もさっきと同じ。これはさすがに紫耀、覚えてきたかも…？」

神「紫耀、完全にスイッチ入ってるわ。コレは、廉キツいかもな…。」

流れを変えなアカン！と思った廉は、ハッとひらめいた顔をした。

永「札、動かします…！」

廉は手を挙げながら、自陣の札を数枚動かした。

平「おいっ！何すんだよっ！？」

パニックになってる紫耀を見て、楽しそうな笑顔を見せる廉。