会長様と犬☆ 〜双〜 (ページ6)

今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:12,874 hit

・ﾕﾄﾐｽﾞページ6

瑞side

嶺「今頃気付いたのかよ。バーカ！！」

大「おい！嶺亜さんの靴、舐めろよ！ポチ！」

瑞「クソッ！誰がポチなんか…！オラァッ！」

瑞稀は抑えられていた手を振り解き、走って教室を出て行った。教室には、嶺亜とクラスメイトの笑い声が響いていた。

瑞稀はトイレに逃げ込み、鏡の中の自分と睨み合っていた。(ちなみに学園のトイレはバカ広くて綺麗だ。)

瑞「クソッ！！」

瑞稀が鏡を殴っていると、誰か入ってきた。…優斗だ。

瑞「…何？慰めとかいらないから。」

瑞稀は、そう言って優斗に自分のハンカチを投げつけた。優斗がびしょ濡れだったからだ。投げつけて渡したのは、ツンデレだから。これは瑞稀なりの優しさである。

優「ありがとう…。」

優斗が瑞稀のハンカチで拭いていると、瑞稀が急に肩を持って…

瑞「ねぇ、優斗。何で教えてくれなかったの？ずっと見てたよね？アイツらが俺の事ハメようとしてたの知ってたんだろ？何で言ってくれなかったの？」

優「それはみずっくんが話しかけるなって…。」

瑞「はぁ？」

優「話しかけるなって、みずっくんに言われたから！」

言った…言ったけど、アレは俺の黒歴史がバレるかと思って言っただけで…！それとこれとは話が別だろ。何だよコイツ、純粋かよ！！

瑞「ハァ…。優斗もあんな酷いことされてるのに、なに受け入れてんだよ！」

優「そういう学園だから…。」
　

瑞「華のお坊ちゃま学園生活は？」

優「ムリだよ。ギャンブルが全て…。」

瑞稀は絶望感に打ちひしがれ、チッと舌打ちした。

優「みずっくん…なんか、ごめんね？」

優斗は財布を開けて札束を取り出し、瑞稀に渡した。

瑞「えっ…？なに…。」

優「20万。これで嶺亜くんに借金返してきて？」

瑞「は、はぁ？施しのつもり？そんなお金があれば、さっさと自分の上納金ってヤツを払えばいいだろ？優斗ん家、お金持ちなんだから！」

優「小金持ちだよ…。」

は…？こがねもち？

優「大金持ちじゃなきゃ、一時的にポチ脱しても…どうせまた誰かに負けてお金取られちゃうよ…。」

瑞「ハァ…あぁ〜もうっ！！優斗！！お前のいつもの元気はどうしたよ！？悔しくねぇの？頭から水かけられて、笑われて、バカにされて…！」

優「でも、学園のルール…」

ルール？…そんなん関係ねぇよ。俺はお前！優斗に聞いてんの！！家畜なんて、嫌だろ…？

優「うん、嫌…。」