君の全てを * ページ39
【エスクプスside】
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「スンチョリオッパ、大好きです!いつもありがとうございます!」
Aは、そう言いながら眩しいくらいの笑顔で手を振る。
「あはは!俺も好きだよ」
そう言葉を返すと、満足げに頷いてどこかへ走っていってしまった。
「Aちゃんってすごいな…」
隣にいるミヨンヌナが呟く。
「不思議な子ですよね。Aを見てるとこっちまで元気になる」
「本当だね。私、年上のくせにAちゃんに気付かされてばかりだ」
Aが去っていったほうをぼーっと眺めているミヨンヌナの横顔を盗み見て、少しだけ笑った。
「ミヨンヌナはしっかりしてるように見えて結構抜けてますもんね」
「えっ?私が?」
こちらを見て、目を丸くするミヨンヌナ。
「気付いてないんですか?ミヨンヌナってすごく分かりやすいですよ」
隠しきれない心が、すぐ顔に出るし。
だけどいつも周りに気を遣って、誰も傷つかない方法を探ってる、そんな人。
「そんなところも、好きなんですけど」
その途端ミヨンヌナが急に視界から消えて、視線を下に向けると何故かその場に座り込むヌナがいた。
「ご、ごめ、びっくりして…」
腰が抜けた…と呟くミヨンヌナの前に俺もしゃがんで目線を合わせる。
「俺、ずっとミヨンヌナのことが知りたいと思ってました」
ミヨンヌナのことが気になって、知りたくて、必死で話しかけたし、姿を見かけて気付かれないように追いかけた日もある。
「綺麗なだけじゃない、かっこ悪いヌナも優しいヌナもピアノを弾くヌナも、」
だけど、まだ見えてないこともきっとある。
これからも、もっともっと知りたいと思う。
「全部、好きなんです」
真っ赤な顔で俺を凝視するミヨンヌナは可愛くて、思わずその頰を撫でた。
「だから、側にいさせてください」
ヌナの瞳が潤む。
知っていくたび、魅力に溢れる。
心が嬉しくて、切ない。
「ス、スンチョラ…」
「そうやって呼んでくれるのも好きです」
「う、ええ…?」
その困った顔も。
本当に、全部。
「ミヨンヌナの答えは?」
ゆっくりと頷いたミヨンヌナの頰に、涙が一筋流れた。
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sani(プロフ) - ミヌさん» わあ、ありがとうございます( ; ; )嬉しいです!読んでくださり、ありがとうございました!! (2021年4月9日 6時) (レス) id: a75bf160ab (このIDを非表示/違反報告)
ミヌ(プロフ) - 感動しましたTT大好きです。 (2021年4月9日 4時) (レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - まろにゅきさん» うわぁ〜なんて嬉しいお言葉!!ありがとうございます( ; ; )とっても嬉しいです!ああすれば良かったこうすれば良かった、と今になって思ったりもしますが、そう言っていただけて本当に良かったです(*^^*) (2020年6月25日 0時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
まろにゅき(プロフ) - saniさんの小説はスッと入り込めて読みやすくて、綴られる言葉もすごく好きです(^^)私はスンチョルもウジくんも好きだからこのお話、ドキドキしました! (2020年6月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 36bf00294b (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ゆずさん» こコメントありがとうございます!文庫本無限とは!このお話は私なりに書くの楽しかったので、すごく嬉しいです(*^^*) (2018年9月30日 7時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sani | 作成日時:2018年6月22日 19時