言わないなんて ページ22
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あの日のことがまだ頭を掠めるけれど、今日も今日とてジフニの作業室に来ていた。
正直、気まずい。
ジフニからいつものメッセージが届いたとき、断ることだって出来た。
なのに、それが出来なかったのは。
「あぁ、最高に美味しい」
…デリバリーで好きなものを頼んでいいと言われたから。
「単純だな」
「いや、違うの、別に食べ物に釣られたわけじゃあ…」
私の必死の言い訳にジフニは笑う。
だけど、本当にそれだけなわけじゃなかった。
前に連絡を取れなかった1ヶ月が、私の心の中に大きな穴のように残っている。
ずるい私の心は、多少気まずくてもジフニと過ごすことの方を選んだのだ。
それでも、やっぱりあんな風に言われたあとだから、少しは意識はしてしまうもので。
こちらを向いた椅子に腰掛けたジフニの身体が少しだけ前のめりになる。
結果的にソファに座っている私に近くなってしまう。
それだけなのに、身体がびくりと跳ねた。
「A」
「え？！なに？！」
ああ、もうやだ。
さっきから名前を呼ばれるたび、身構えて大きな声が出る。
それを見て、ジフニがため息を吐いた。
「お願いだから、それやめて」
「いや、だって…」
「あーもう…」
面倒くさそうに椅子にもたれるジフニを見ながら、こうなってるのは誰のせいだと思ってるんだと心の中で悪態をついた。
「あー、じゃあもう言わないから」
ジフニが天井を見上げたまま声を出す。
「え？」
「もう変なこと言わないから、普通にして」
「…分かった」
私への気持ちを言うのは変なことだったの？！とまた突っかかりたくなったけど、それは抑えた。
" もう言わない "
そういったジフニの言葉に寂しさを覚えるのは何故だろう。
そんな考えを誤魔化すかのように、料理を口に運んだ。
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sani(プロフ) - ミヌさん» わあ、ありがとうございます（ ; ; ）嬉しいです！読んでくださり、ありがとうございました！！ (2021年4月9日 6時) (
レス) id: a75bf160ab (このIDを非表示/違反報告)
ミヌ(プロフ) - 感動しましたTT大好きです。 (2021年4月9日 4時) (レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - まろにゅきさん» うわぁ〜なんて嬉しいお言葉！！ありがとうございます（ ; ; ）とっても嬉しいです！ああすれば良かったこうすれば良かった、と今になって思ったりもしますが、そう言っていただけて本当に良かったです(*^^*) (2020年6月25日 0時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
まろにゅき(プロフ) - saniさんの小説はスッと入り込めて読みやすくて、綴られる言葉もすごく好きです(^^)私はスンチョルもウジくんも好きだからこのお話、ドキドキしました！ (2020年6月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 36bf00294b (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ゆずさん» こコメントありがとうございます！文庫本無限とは！このお話は私なりに書くの楽しかったので、すごく嬉しいです(*^^*) (2018年9月30日 7時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sani
| 作成日時：2018年6月22日 19時
