第三話【私の能力】 ページ17
葛葉さんが手紙の返事を返して早一週間。
今日はついに咎人とメッシャーズとの初対面だ。
『(なんだろ…変に緊張してきたな…)』
どうしようか考えながらフッと窓の外を見ると薔薇が綺麗に咲いているのが見えて
何故か、外に出たくなった。
『(…まだ、時間はあるし、少し外の空気を吸いに行こう)』
そう思い、私は部屋を出て花園に足を向けた。
ー クロノワール城・薔薇園 ー
『うっわぁ…近くで見るとまた迫力というか…綺麗だなぁ』
私はこっちに来てから殆ど部屋から出たことなかったのだ。
二人が心配症で、初日に熱で寝込んでしまった為、部屋から出るのを禁止されていたのだ。
もう、大丈夫と言っているのに二人がダメだと言ってなかなか出してくれなかったのだ。
『…やっぱり、出ることを言った方がよかったかなぁ…』
…やっぱり、戻ろうかなと思っていたらいきなり突風が吹いて目を閉じてしまった。
そして、暫くすると風が止み目を開けると目の前が色とりどりの花で埋まっていた。
?「初めまして?麗しい姫君」
少しだけ後ろに後退するとその花を持ってる人物が見えた。
背は高く、和装姿で頭からは芒色の耳と後ろには尾を生やしているが伏見ガクだというのが分かった。
『……えっと、初め、まして』
警戒しつつ更に下がろうとすると後ろに薔薇の低木が腰に当たってそれ以上下がれなかった。
目の前では伏見ガクがニコニコと人が良さそうに笑っていた。
伏「とりあえず、この花束はお近づきの印にどうぞ?」
そう言いながら可愛らしい花束を差し出してきた。
『えっと…ありがとう、ございます』
そう言いながら受け取ると同時に伏見ガクは私の腕を掴んで引き寄せられた。
そして、腰に手を回されて離れられなくなった。
伏見ガクは私の顔を覗き込むように顔を近付けてきた。
その瞳は何もかもを見通してるような金色の瞳をしていた。
伏「……うん、やっぱり“姫”は可愛いっすね‼」
『"姫"……?私は、そんなんじゃないです…よ?』
伏「いやいや、君は立派な"姫"だよ
オレは、"何千年も君を待ってたんだから"」
待ってた……?何千年……??何の話だ?
そう思っていると遠くの方から叫び声に近い声が聞こえてきた。
?「ガク君!!貴方は何をしてるんですか!?今すぐその子から離れて下さい!!」
それに気を取られたのか伏見ガクは腰に回した手を緩めた。
そして、次の瞬間黒い何かに包まれたかと思うと葛葉さんの腕の中にいた。
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雪鈴(プロフ) - 咲さん» ありがとうございます!!裏の方では俺って言って欲しいなって欲望が出てしまった…直しておきます！ (2021年7月21日 21時) (
レス) id: de383840ec (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 設定がとても面白くて，一気に読んでしまいました！素敵な作品をありがとう御座います！後，細かくて失礼なのですが，甲斐田さんと弦月さんは一人称僕ですよ，，，！ (2021年7月21日 15時) (レス) id: 7988901400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪鈴 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時：2021年2月2日 12時
