夜のしんでれら

可愛い人 橙side ページ13

時間を見つけては崇裕のお店に通うようになった
いつも綺麗な脚が目に入る
彼女…いや、彼か…はとても綺麗な人やった
ホンマに性別なんてどうでも良くなるくらい
ホンマに一目惚れやった

残業になってもうていつもより入店が遅い時間やったある日のこと

紫「いらっしゃいませ。お！照史やんけ」
橙「淳子ちゃんは？」
紫「今他の席着いてもうてるわ」
橙「待っててもええかな？」
紫「おん。他の子入れるからこっちついてきてー」

いつものように席へ案内してもらう

通路を歩いていると淳子ちゃんが
笑いながら外国人の人と話しているのが目に入る

紫「淳ちゃんな、英語話せるから外国人の接客任せがちでな」
橙「なるほどな」
紫「で？デート誘った？」
橙「は？」
紫「好きなんやないん？」
橙「なんで…」
紫「昔から一途で猪突猛進って感じやん」
橙「崇裕から四文字熟語が出てくるとは…」
紫「で？どないなん？」
橙「ただの客やろ」
紫「そうなんかー。残念やー。ま、淳ちゃん美人さんやからなぁ」
橙「崇裕は淳子ちゃんの本名知ってるん？」
紫「…なんて言われたん？」
橙「通ってくれたらそのうちって」
紫「なら俺教えたらあかんやん！」
橙「崇裕なら口滑らすと思ってんけどなぁ」

俺を騙すなよー！なんて笑っていると
学生時代を思い出す

2人で笑っていると
黒服君が崇裕を呼びに来た

紫「ん、…わかった」

真面目に話している崇裕を見ると俺らも歳重ねたなって実感する

紫「照史悪いけど今日は淳ちゃん来られへんかも…」
橙「え！なんで？」
紫「ここだけの話やけど今オーナー来てな、オーナーから淳ちゃんに指名入ってもうた」
橙「そっか…わかった。時間までお酒楽しむわ。あ！指名は淳子ちゃんにしておいて？」
紫「すまんな…ちょっとでも割り引けるようにしてみるから」

そのままいそいそと
VIPルームへ行ってしまった

他の黒服君が外国人さんと話している淳子ちゃんの元へ行き
淳子ちゃんが動き始める

黒服に誘導されるままVIPルームの階段を上がっていくけど
やっぱり脚綺麗やわぁ

緑「こんばんは！」
橙「あ！こんばんは」
緑「いつも淳子指名している桐山さんですよね？」
橙「はい」
緑「私はみんなに神ちゃんって呼ばれてます」

丁寧に名刺をくれた
淳子ちゃんは綺麗でシンプルな名刺やったけど
この人はギラギラにデコられている

緑「ごめんなさいね？淳子来れなくて」
橙「あ、仕方ないですよ」

残業やった俺が悪いねんから仕方ない

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