82 ページ13
しかし、ヴォルデモートはハリーの言う事の真相を俄に信じ難い様子だった。
ダンブルドアは�犹爿瓩鬚箸Δ寮里�ら受け入れていたこと__セブルス・スネイプはもう何年も前からダンブルドアに寝返っていた事__それらをハリーが告げてもヴォルデモートは邪悪な笑みを消さなかった。
「それがどうした！いいか、俺様は最後の所有者の墓から杖を盗み出した！最後の所有者の望みに反して杖を奪った！杖の力は俺様のものだ！」
「まだ分かっていないらしいなリドル？杖を所有するだけでは十分ではない__オリバンダーの話を聞かなかったのか？杖は魔法使いを選ぶ。ニワトコの杖はダンブルドアが死ぬ前に新しい持ち主を認識した。その杖に一度も触れた事さえない者で新しい主人だ。そいつは、自分が何をしたのかにも一度も気づかずこの世で最も危険な杖が自分に忠誠を捧げたとも知らずにニワトコの杖の真の所有者になった」
「ほぉ、その人物は一体全体誰だというのか？」
ヴォルデモートの胸が激しく波打っているのをAすらも感じた。そして、ハリーは先程Aが気が付いた杖の持ち主の種明かしをした。
「ニワトコの杖の真の主人はドラコ・マルフォイだった」
ヴォルデモートの顔は衝撃で一瞬呆然となった。しかしそれも瞬時に消えるとヴォルデモートは静かに口を開いた。
「それがどうだというのだ？ポッターが正しくても何ら変わりはない___我々は杖だけで決闘するのだ。そしてお前を殺害してからドラコ・マルフォイを始末すれば全ては収まる」
「遅過ぎたな。お前は機会を逸した。僕が先にやってしまった。何週間も前に僕はドラコを打ち負かした。この杖はドラコから奪った物だ」
ハリーは自分が持っているかつてはドラコの物だったサンザシの杖をピクピクと動かした。
Aの見立ては間違いでは無かったのだ__ハリーはチラリ、と僅かにAの方へと目を配った。
「お前がこの事に気が付かなかったのも無理もないな___僕だって気が付いたのはほんの少し前だ。要するに全てはこの一点にかかっている。違うか？お前の手にあるその杖が最後の所有者が武装解除された事を知っているかどうかだ。もし知っていれば。ニワトコの杖の真の所有者は僕だ」
頭上の魔法で空を模した天井に、突如として茜色と金色の光が広がって一番近い窓の向こうに眩しい太陽の先端が顔を出した。
その光はハリーとヴォルデモートの顔に同時に当たった。まるでそれが合図だったかの様に__2人が杖を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまわり。(プロフ) - べべべーべさん» コメントありがとうございます✨完結させてから時間が経っていますがそう言っていただけてとても嬉しいです😌 (2月25日 10時) (
レス) @page28 id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
べべべーべ(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます。最後のスネイプ先生とのシーンは涙が止まりませんでした。とても素敵な解釈だと思います。各章で深く愛を感じる作品でした。この作品に出会えたことを嬉しく思います。 (2月22日 2時) (レス) @page28 id: 49ba69b450 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり。(プロフ) - いろかさん» コメントありがとうございます！そう感じていただけてとても嬉しいです😊✨ (9月8日 21時) (レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
いろか(プロフ) - 本当に素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。原作好きとしてこの作品に出会えたことに感謝します。 (9月6日 0時) (レス) @page28 id: 9be3bd5b20 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり。(プロフ) - ひよさん» コメントありがとうございます！完結させてもう大分経つのにこうやって読んでいただけてとても嬉しいです☺ (2023年2月25日 17時) (レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年10月25日 15時
