白のリコリスが咲く8【Harry potter】 (ページ8)

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アミカスは忠告を聞かなかったAと、彼女と共にコリンに手を貸したルーナ、ジニーに杖を向け、それぞれに傷を負わせ続けた。

崩れ落ちる2人の友人とは対照的にAだけは決して膝を付かず、挑む様な強い視線をアミカスに送った。

苛立ったアミカスは『インカーセラス__縛れ』と呪文を唱え、現れたロープの様な物でAを縛り上げた。それと同時に授業終了のチャイムが鳴ったが__アミカスはそれを解こうとはしなかった。

「授業は終わりだ。お前だけは残って次の授業の実験台になれ__」

ニヤリと笑うアミカスにルーナとジニーが目を釣り上げたが、Aは視線だけで先に行って欲しいことを伝えた。自分なんかよりも、気を失ってしまったコリンを優先して欲しかったのだ。

後ろ髪を引かれながら2人がコリンを連れて教室に出ると__それと入れ替わる様にして次の授業を受ける生徒達が入ってきた。

1学年上のグリフィンドール生と、スリザリン生___ネビルとドラコがそこに居た。

彼等は自分の見知った1学年下のレイブンクロー生の女子生徒が縛られて教壇にいるのを確認すると、目を見開き、顔色を変えた。

ネビルは怒った様に顔を赤くさせていたし、ドラコはいつも以上に蒼白した表情だった。

「今日は、〝磔の呪い〟の実践練習といこうか。幸運な事に〝半人狼〟が的に変わってくれたぞ__一番初めに誰が呪文を唱える？」

ここでも、〝半人狼〟という言葉にクラス全体の生徒達が戸惑いの表情を見せた。誰もが反応を示さない中、アミカスの言葉にネビルがずいっと前に出た。

「そうはさせないぞ！彼女を離せ！」

「__歯向かうなら、お前も同じ様にしてやろう」

ネビルはあっという間にアミカスに縛り上げられてしまった。Aは助けようとしてくれたネビルに対して申し訳ない気持ちになったが、先程の授業内で受けた傷が痛み__これ以上の抵抗は不可能だった。

「___よし、こいつらに呪文を当てるのは__そうだな、スリザリンから選ぼう。ロングボトムには、ゴイル、お前がいけ。〝半人狼〟にはドラコだ、やれ」

名指しされたゴイルは腕捲りをして、躊躇なくネビルに〝磔の呪い〟を当て始めた。

ネビルの叫び声が教室いっぱいに広がり、グリフィンドール生が悲鳴を上げた。

一方でAに対しては、なかなか呪文が発動されなかった。Aがダラリ、と力なく下げていた顔を精一杯持ち上げると、ほとんど泣きそうな顔をしたドラコの表情が目に入った。