白のリコリスが咲く8【Harry potter】 (ページ1)

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___パチン！

どうやら、Aはジニー達の母方の大叔母ミュリエルの家にやってきた様だ。A、ジニー、フレッド、ジョージに続く様にしばらくしてからビルとフラーもここへやって来た。

フラーは、ハラハラと涙を溢しており、パーティーの始まりはあんなにも美しく神々しい花嫁姿であったのにティアラが乗った髪は乱れ、純白のドレスは裾が焦げて破れている。

その姿を見れば___ハーマイオニーと共に〝数占い〟で今日というこの日が〝不吉〟だと解ってしまったこと、また、自分の〝勘〟がずっと警鐘を鳴らしていたことを黙っていた事がとても申し訳なく感じた。

「みんなはどうなったのかしら？」

「解らない__だが、ハリー達が逃げた事で連中も引き上げたところだった。しばらく〝隠れ穴〟には戻れないから、ここにお世話になろう」

ジニーの声に応えたビルの言葉によって、どうやらハリー達3人は無事にあの場から離れる事が出来たのが解った。恐らく、このまま彼らは決めていた〝旅〟へと出るのであろう__最後に目を合わせたハーマイオニーの視線から、Aに対する感謝ととても強い決意を感じ取ったのだ。

___始まってしまった。

〝分霊箱〟の破壊に向けて3人の旅路がスタートしてしまったことにAはあまりの恐ろしさにぶるり、と身震いした。真横にいたフレッドはそれを先程の出来事への恐怖だと感じたのだろう___Aを安心させる様にそっと肩を抱いてくれた。

避難し始めてから数時間後、アーサーの〝守護霊〟から伝言が伝えられた。そこからは、あの場に居た者から負傷者は出たものの__死者は居なかったこと、皆それぞれ別の安全な場所へと逃げ切る事が出来た事が知らされた。

これには、妊娠したばかりのドーラの無事の報告も含まれていたのでAは1人ホッと息を吐いて近くのソファへと座り込んだ。

やはり今の〝隠れ穴〟はとてもじゃ無いが戻って住めるような状態では無くなってしまった様だ___ビルの言葉通りに本当にしばらくこの家にお世話になるしかない。

子ども達のペットは騒動のおかげで驚いて草原の中に逃げてしまった___しかし、どれも賢いペットだ。しばらくすれば戻って来るだろうから、その時はしっかりと保護するとペットのことまで教えてくれたアーサーにAは感謝した。

クレヴァは基本的には自由奔放な性格をしている__怪我もなく無事であるのなら、うまく身を隠し続けて欲しいと願って不安気に外を眺めた。