白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ40)

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兄であるパーシーからも、最近のジニーの様子は心配な様だった。別れ際に『合同授業の時は気に掛けてあげてくれ』と頼まれてAはしっかりと頷いた。

年の終わりに満月を迎えたAが医務室に入ると、コリンとは別のベッドのカーテンが引かれていることに気が付いた。

「貴方はその奥ですよ」

マダムにそう言われて、そのベッドの隣に向かい、サッとカーテンを引こうとした時、鞄から羽根ペンが零れ落ち、カーテンが引かれたベッドの方へと転がってしまった。

「あっ__」

「貴方、誰？」
「えっと、A・グレイディ、、レイブンクローの一年生」
「驚いて悲鳴をあげたりしないなら、羽根ペン、取りに来ていいわ」

許可を貰えたので、Aはなるべく失礼の無い様にとそっとカーテンを開けた____しかし、そこに居たのは〝猫〟の姿をした女子生徒だった。

Aの記憶が正しければ、彼女の声はグリフィンドールで聞いたことがあった。

「どうぞ」
「あ、ありがとう__あの、貴方はもしかしてハーマイオニー・グレンジャー？」
「__ぇえ、そうよ」

やはり思った通り、1学年上のグリフィンドール生、ハーマイオニー・グレンジャーだった。

ふと、クン、と鼻に付く匂いがクリスマスの時に嗅いだものと一緒だったことを思い出し、Aの中で何か合点がいった。

マグル生まれの彼女が〝猫〟の何かに変身するような血が混じっているとも思えないし、そもそもクラッブやゴイルと共通する匂いがあること自体可笑しい___
そこで思い浮かんだのがポリジュース薬だ。
セブルスがくれた本に記載があったのだ。

何かに変身するにはピッタリだが、動物に変身すると何日も姿が戻らなくなる。調合は1ヶ月もかかる様だが、ドラコも恨めしがる彼女の賢さがあれば可能だと思った。

「ハーマイオニーは何か失敗したの？例えば、ポリジュース薬、とか」

Aの言葉を書いて観念した様に彼女は肩をすくめた。

「1年生の中で貴方はトップだもの__誤魔化せないと思ったわ。そうよ、ポリジュース薬に間違えて猫の毛を入れてしまったの」

「きっと、クリスマスの時、クラッブやゴイルはハリーとジニーのお兄さんだったのでしょう？そこまでして、何をしていたの？」

「___秘密の部屋について調べてたのよ。ハリーが疑われているんだもの、継承者を見つけて早くこの事件を止めなくちゃ」

ハーマイオニーの真剣な猫の眼差しに、思わず息を飲んだ。