白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ21)

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「うーん」

朝、お腹の上に何かがズシリと乗り息苦しさを覚えたAが目を覚ますと、そこにはホグワーツ特急以来姿を消していた黒猫のクレヴァがいた。

「クレヴァ！」

「__やっぱりAの猫だったンだ。扉を引っ掻いてたから、迷い猫かと思ってたけど、真っ直ぐAの所に行ったよ。賢い猫だね」

「ありがとう」

そのままルーナと朝の挨拶を交わした。

クレヴァに餌をやり、Aも身支度を整えてルーナと揃って大広間へと朝食をとりにいくことにした。

初めての授業に緊張もあるが、セブルスから貰った母の形見のムーンストーンのネックレスが見守ってくれている様な気がする。

レイブンクローの談話室に降りた時、同級生や上級生達に挨拶を交わしたが、皆、ルーナの独創的なスタイルに怪訝そうな顔をして適当に挨拶を返しただけだった。

Aがみんなの態度に眉を寄せていると、別の方からクスクスと笑う女子生徒の声が聞こえた。

「チョウ、行きましょう！」

チョウと呼ばれた艶やかな黒髪の女子生徒と、その生徒の名前を呼んだ女の子は2人でこちらをチラチラと見ながらクスクス笑いをやめずにそのまま立ち去った。

___なんて嫌な人達！

直接挨拶を交わしていたわけでもないに、陰からその様な態度を見せたチョウと呼ばれた子とその友達をAは好きになれそうにないと思った。

レイブンクロー生達の態度にAはイライラしていたが、ルーナはどこ吹く風といった様に全く気にしていなかったので拍子抜けした。

間も無く朝食を食べ終わるかと言う頃、大広間の天井からたくさんの梟達が手紙や荷物を持って入ってきた。

「梟便の時間だね__」

ルーナがふんわりとそう言った所で、少し奥のグリフィンドールから物凄い大きな声が聞こえてきた。

『ロナルド・ウィーズリー！！！！！』

『車を盗み出すなんて退校処分になっても当たり前です。首を洗って待ってらっしゃい。承知しませんからね。車がなくなっているのを見て私とお父様がどんな思いだったか。お前はちょっとでも考えたんですか』

『お前も、ハリーも命を落とす所だったのですよ！』

『全く愛想が尽きました。お父様は役所で尋問を受けたのですよ。みんなお前のせいです。今度ちょっとでも規則を破ってご覧。私たちがお前をすぐ家に引っ張って帰ります！！！』

「あれは吠えメールだね」

驚くAとは反対に、相変わらずルーナはふわふわとした口調だった。