白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ15)

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後日、買えなかった教科書を買いに行ったり、ダイアゴン横丁で興味深い店に入ってみたりと、Aは時間を有意義に過ごしていた。

特に気に入ったのはアイスクリームパーラーで、ビターチョコレートアイスとバニラアイスを組み合わせて頼むのがAの定番になった。

もともと本を読むことが好きなAはフローリシュ・アンド・ブロッツ書店に何度も足を運んだ。教科書を事前に読むだけでは足らず、魔法界のことも知れそうな本をいくつか買い足すためだった。

書店には本当に様々な本があり、それらは何も知らなかったAにたくさんの事を教えてくれた。

ホグワーツの歴史や、クィディッチのこと、グレイディ家の魔法薬師としての活躍、有名なハリー・ポッターのこと____

分野も様々な本を読んだが、その中でも自分が一番知っておくべきだと思った〝人狼〟については何度も何度も調べた。

魔法界における、〝人狼〟はほとんどが噛まれる前は魔法使いか魔女だった者だ。稀に先天性の者もいる様ではあるが、大半はそういった後天性。

満月の1週間前後で体調を崩すことが多く、満月の夜の変身は身体中に痛みが駆け巡り__変身後は理性なく人々を襲ってしまう血に飢えた野獣の様になるのだ。

それが友人、恋人、家族であっても関係なく襲ってしまうのだから恐怖の対象とされてきた。

〝人狼〟になった者は魔法省の『人狼登録簿』への登録が必要であり、職業先や居住の住所登録などをした上で自分の所在を常に知らせていなければならない。その点からして、〝人狼〟そのものがかなりの差別を受けているのが想像出来た。

近年では、ダモクレス・ベルビィという魔法薬師が満月の夜に理性を保つことが出来る〝脱狼薬〟を開発した。その事は、今の〝人狼〟達にとってありがたいものであるのが分かった。__ここには母親や祖父の協力もあり、これは〝父親〟のリーマス・ルーピンを助ける為にやったのではないかと思った。

残念ながら、〝半人狼〟についての文献は見つけられなかったが、フリットウィック先生の様に〝小鬼〟の血が半分流れているのとは訳が違うとAは思った。とても強い差別の対象の血が半分流れているのだ。

Aは耳や鼻が敏感で、お肉の焼き加減はレアが好き。

変身はした事がないが、満月の夜は身体の節々が痛かったり、胃がぐるぐると気持ち悪くなったり、貧血の様に目眩が起こる___〝人狼〟の人間時の特徴がAには強く出ていた。