北さんの妹、不良少女につき。【角名倫太郎】

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角名 side





男子高校生、それも運動部となれば食べるスピードも一般人に比べれば速いもので、Aちゃんがまだ半分も食べ終わっていないにもかかわらずご馳走様、と手を合わせる。



「おぉ、速いなぁ。悪い、すぐ食べるわ。」




「急がなくていいよ。まだゆっくりするつもりだったし。」




「堪忍な。」




そう言ってさっきより急いで口に入れる。本当に急いでないのにな。俺も疲れたからまだ座っていたいし。やっぱり変なところで律儀なんだよ、この兄妹。何としても人に迷惑をかけまいとする姿はとてもいいことなのだが。
あの双子に比べればこんなのなんでもない。むしろ双子がこんな少しの時間の心配をしていたら俺は別の意味で心配になるだろう。
今全く関係ない双子のことを考えていると手を合わせているAちゃんが目に映る。




「待たせて悪いな。ほな行くか。」




「そうだね 。てかもう11時半…」




「学校飛び出してそんなに経ってるんか…」




話しながらトレーを片付け店を後にする。
今気づいた事だが、Aちゃんとは波長が合う…気がする。
一緒に居ても苦じゃないし、うるさい(関西風に言うと喧しい？)とも感じない。
いつもがうるさすぎるのは否定できないけど。




スマホを開きなんとか迷子にならないようにする。
出てすぐに見つけたジェットコースターの乗り場。




「ねえAちゃんはジェットコースターとか好き？」




「んーどうなんやろ、小学生とかに乗った記憶しか無いねん。乗ってみたいなぁ。」




「じゃああれ並ばない？」




久々にジェットコースター乗る人にはキツそうなそれを指さすと楽しそうに笑う。やっぱりAちゃん非日常は楽しいのかな。ならいいんだけど。




「ははっ。あれは凄そうやなぁ。ええやん。乗るで。」

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