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A side
電話越しに1年ぶりに聞いた声が聞こえた。聞きたくもない。聞く気もない。早く切ればいいのに指は受話器のマークを押せない。
『なぁA、聞こえとるか？』
「今更…今更なんやねん。アンタと話すことなんてなんも無い。はよ倫太郎にそれ返せや。」
『…せやな。俺が悪かった。』
「二度と私の視界に入んなや。」
言い捨てるように言って電話をようやく切る。倫太郎はよ来んかな。
こんだけ頑張って用意した服も、顔も、アイツのせいで全部台無しや。てかなんなんあのアラン？くん。なんでアイツすぐ呼ぶんや。少しは空気考えろや。
過ぎたことをずっと考えるのは良くないと分かっていてもアイツと顔を合わせてしまった以上考えてしまう。
嫌で逃げ出してきたけどこの稲荷崎という空間にいるのですら嫌になる。別に倫太郎はなんも悪うないのに。
ポロリと左目からひとしずく。段々と溢れ出てくる涙に自己嫌悪が止まらない。
「Aちゃん。」
「りん、たろ…」
「何泣いてるの。せっかく可愛いのに泣かないでよ。」
「うっ、あいつ、あいつがいなきゃ、いまごろたのしかったんかな、って、おもうと、ごめ…」
「ううん。誘ったのは俺なんだし、責めるんなら俺を責めてよ。俺こそ、約束守れなくてごめん。」
「あんなの、だれにも予想出来んから…ええんや。」
「ねえ、もうここから出て普通に遊ぼうよ。」
「ぇ…それは、倫太郎が…」
「俺は自由登校だから大丈夫。Aちゃんが良ければ…だけど…」
「私なんかで良ければ…」
「じゃ決まり。ほら立って。行こ？」
微笑みながら手を差し出す姿はまるで王子様で。でも小さい頃転んだ私を見るあいつと重なってしまった。くそ、忘れろ、と言わんばかりに頭を振り倫太郎の手を取って立ち上がった。
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ヤナ - ヤバすぎ､､､､倫ちゃんがタバコとか､､､､想像するだけでにやけてまう､､､､ (2021年4月8日 17時) (
レス) id: 4f2b53094b (このIDを非表示/違反報告)
煙 - 初めまして、コメント失礼します！夢主ちゃん惚れました(((更新楽しみに待ってます！応援してます！！！ (2020年12月20日 3時) (レス) id: f55a523df1 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 神作品降臨ですわ....ありがとうございます！!! (2020年12月19日 19時) (レス) id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカぬ - めちゃくそ面白いです！更新頑張って下さい！ (2020年12月19日 10時) (レス) id: 00b7d99141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうか | 作成日時：2020年11月15日 4時
