5.部活とマネージャー ページ5
.
「稲畑さん、だっけ？角名くんと同じ小学校だったの？」
中学で同じクラスで隣の席になった、隣の小学校出身の女の子に話しかけられた。
「ああ、うん、同じやで。新美さんは隣の小学校やったんやね。よろしくね！」
「よろしくね。私、男バレのマネージャーやろうと思ってるんだ」
そう話す新美さんは、イントネーションが兵庫のしゃべり方ではない。
「新美さん、このへんの出身と違うん？」
「うん、私去年横浜から引っ越してきたの」
角名くんが標準語をしゃべるから、こういうしゃべり方にそこまで違和感を感じなくなっていたけど
やっぱりこの学校では標準語は目立つなあ。
それだけじゃない、角名くんと同じ…都会的で洗練された感じがする。
垢抜けている、っていうんかな。それに美人やな。
「バレー、好きなんや？」
「ううん、角名くんに興味があるの」
角名くんがモテるんは知ってた。
小学校の時からモテてたし。
でもあれは、転校生っていうオプション付きやったからやと思ってた。
中学に入っても、やっぱりモテるんやな…。
マネージャーか。こんな綺麗な子がマネージャーやったら部員も大喜びやろうな。
部活の入部届けを出す日。
私は、入部届けの欄に�牴板輊��瓩筏�入した。
「Aが家庭部ぅ〜？似わなさすぎやろ」
小学校からの腐れ縁の諒は、同じクラス。
私の入部届けを取り上げて盗み見てそう叫んだ。
「ええやん、私やって女らしくなりたいもん」
「やめとけやめとけ。食えるもん作れなさそうやんけ」
「一応うち食堂やで、そういうこと言わんといてくれる！？営業妨害やで！」
諒から入部届けを奪って睨むと、急に真剣な顔になった。
「野球部のマネージャーやってくれや」
「それは無理やって言うたやろ」
「頼むわ。A、面倒見ええし…頼りになるし…お前が応援してくれたらなんか頑張れるって思うんや」
意外やった。いつもバカにしてくる諒に、そんな風に言われて。
…頼られるのは悪い気はせえへん。
そうやって真面目に言うてくれるんやったら、考えてもええかなあ…。
「そっか。そこまで言ってくれるんやったら…ちょっと考えよかな…」
そう答えると、廊下から名前を呼ばれた。
「稲畑」
「す、角名くん？」
隣のクラスの角名くんが、手招きして私を呼んだ。
「何か用？」
「あんたさ…俺がマネージャー誘ったら断るのに、田邊が誘ったらOKするんだ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます！私ももうちょっと長く書きたいなあーって思っちゃいました。また、続編書ける時が来たら書きたいです。応援してくれてありがとうございました！ (2018年10月29日 18時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます！こんなの角名くんじゃない…って思われないか心配でしたが、楽しんでもらえたなら良かったです！続編、頭に浮かんでいるのはこのお話とがらっと雰囲気変えた話なのですが、いつか書きたいです！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ〜 - もももも、もう終わっちゃうの〜？？素敵な小説を書いてくれてありがとうございました〜！正直、まだ終わってほしくないです〜！！！でも、お疲れ様でした！続きを期待しちゃってます・・・！ (2018年10月29日 17時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - おぉぉ…完結(？)おめでとうございます！凄い感動しました…。続編、もし作者様が書けるのであれば書いて欲しいです…！角名くんの小さい頃のツンデレ感最高でした！ (2018年10月29日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2018年10月25日 19時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茜
| 作成日時：2018年10月17日 17時
