転校生の事情【角名倫太郎】

25.みんなの幸せ ページ25

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｢A、おめでとう！よかったなぁ〜〜｣



翌日。倫太郎と付き合うことになった、と報告すると
萌は自分のことのように喜んでくれる。



でもそもそも…付き合うって、彼氏彼女って、何すればいいんやろ？？
倫太郎のクラスに他に仲のいい友達とかおらんし、なんとなく行きづらい。
それに休み時間や、お昼は友達と過ごすし
向こうは放課後は部活。
私も部活はあるけど、運動部と違って毎日じゃないし
そもそも運動部よりも早く終わってしまう。
帰り一緒に帰るとかもほとんどできへんしなぁ。



｢テスト前とかは部活休みになるし、一緒に帰ったらええんちゃう？｣
｢そやな…なんか、付き合うって言ってもいろいろと…恥ずかしいな｣


季節は、もう冬のように寒くなってきた。
来月は…クリスマス、か。
彼氏にはプレゼントとかあげるべきかな。




｢紫、それどうしたん？｣



クラスの女子たちに囲まれてる紫の指には
きらりと光る指輪があった。




｢彼氏にもらったの。付き合った記念に…ペアリングなの｣



年上の彼氏が出来た紫は、今までにも増して大人っぽい雰囲気を放っている。



｢なんやねんあれ。校則違反やろ。紫、角名くんのこと好きやったのに見込みないからって先輩に乗り換えたくせに｣




萌がその様子を見て、ぶつぶつと文句を言っている。
まあ、浮かれる気持ちもわからなくはない。
私やって倫太郎からあんなんもらったら…こっそり学校にも持ってきてしまうかもしれんな。




｢まあまあ、ええやん。幸せやってことで｣
｢そうやな、お互いにな｣

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