角砂糖３つ分の､【角名倫太郎】 (ページ22)

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22.意外とねページ22

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がやがやと賑やかな人の声。

色んな機械音とデジタルっぽい音声。

「…………え？」

手を引かれるまま連れてこられたのは、

近くのゲームセンターだった。

(？……ゲーセン？？)

掴まれていた手がゆっくりと離れていく。

反射的に角名くんのほうを見上げた。

「映画だとしばらく話したりできないじゃん」

「うん、まぁ…確かに」

「その時間勿体ないし」

「？……うん」

「さっきのAちゃんの笑った顔みてたらさ」

次々と出てくる言葉に少し戸惑っていると、

切れ長の目がこちらに向けられた。

「もっと楽しんでる顔が見たいって思った」

その優しい声音に少しドキッとした。

正直いきなり手を引かれた時は驚いたし、

どこに連れて行かれるのか少し不安にもなった。

けれど、あの角名くんが。

いつも飄々としている彼が私以上に色々と考えてたことが、
なんか意外で妙に可愛く思えてしまって。

ふふっ、と笑ってしまった。

「角名くんって意外と深く考えるんだね」

「まぁ、意外とね」

「もっと物事を軽く考えてるタイプだと思ってた」

「え、それ酷くない？」

角名くんの歪められた顔とその返答が面白くてもう一度笑う。

それにつられて彼も困ったように笑った。

*

「…あ。角名くんこれ得意？」

「んー？」

これ。と目の前にあるUFOキャッチャーを指さす。

なかの景品はおくちが×印のうさちゃんのぬいぐるみで。

あと少し頑張れば落ちます、というところで転がっている。

「たぶんAちゃんよりは得意」

「それどういう意味？」

皮肉を言ってクスクスと笑う角名くんを横目で睨んだ。