フラッシュバック ページ39
.
結局黒陽には10日間の休みが与えられて、
軍が総力をあげてスメラギの調査をする中
俺らは任務のない連休(夏休み？)を過ごす。
と言っても、べつに大きな変わりはなくて。
俺は３日間強制的に療養させられた後、
今日から鍛錬も復活なん。
食堂でみんなと同じ朝ごはんを食べて、いつもの休日と同じちょっと遅めの時間からはじまる練習に励む。
大「ちょ・・・亮ちゃん待って・・・」
錦「なんやオマエ、また熊みたいな動きに戻ってるで」
３日動いてないだけでえらくなまりを感じるから
とにかく走り込みしまくって、
いざ剣術の時間やって
ネックレスにしてた刀の暗器化を解除して
それを出現させた瞬間やった。
大「・・・！！」
柄を握りしめる右の手のひらに
ゾワッと気味の悪い感触が走る。
思わずそれを取り落とした。
からん！と道場に響く音、
おそるおそる開いた自分の手のひらが
べったりと赤い何かで染まっていて・・・
大「・・・え、なに。なにこれ」
錦「大倉？」
大「ッ・・・や、あか、なに、これっ」
ついさっきまで普通に喋っていた俺がいきなりその場に崩折れたから、亮ちゃんはびっくりしたのかおろおろしてうさぎちゃんの顔になる。
ざわざわと這い寄る嫌な気配に冷や汗が浮く。
呼吸が犬のように浅くなって、
あかん。どうしよう、
目の前が真っ暗になる――――
あの日以来基本的に夢見は悪かったけど、安眠剤やなんやと用意してくれるヤスのおかげで、ぐっすりとは言わずとも眠れてはいたんやけど。
しばらくして近くを歩いていたらしいマルがやってきて、心配そうに声をかけてくれてる。
でもそんなんほとんど耳に入ってこなくて、
全身にフラッシュバックするにおい、感触、光景。
いやや。
・・・こわい。
胸が痛くて、手足がガタガタと震える。
丸「おーくら？おーくら、だいじょうぶ？りゅうの声、きこえる？」
大「ッ・・・！・・・ッ！」
丸「・・・アカン、この子過呼吸起こしてはる。
亮ちゃん、早めに章ちゃん呼んできてもろてええですか」
錦「わ、わかった・・・っ」
飛び出していく亮ちゃんの背中が霞んでいて、俺は肩で呼吸しながら・・・マルのしっかりした腕に支えられ、
心に残ってしまった生傷と
しずかに向き合うことしかできへん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べに(プロフ) - megumonkeyさん» わ〜〜ありがとうございます！^^ めちゃくちゃ気まぐれになりますが更新していきますね！ (2021年9月27日 15時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 続きか読めてとても嬉しいです‼︎ (2021年9月27日 12時) (レス) @page38 id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみに待っていました！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» 戦闘シーンわりと中2クサイけど書いててめっちゃ楽しいです〜〜！！ (2020年8月1日 17時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ぬあああああああ！！！！！（言葉にならない素晴らしさ） (2020年7月25日 15時) (レス) id: 672a09a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べに
| 作成日時：2020年7月11日 20時
