太陽の森（∞）４

山羊頭に翼 ページ22

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式神の幻術が消え去った後も、俺らは変わらず通路を走り続ける。




錦「久っ々にこのビリビリ来る感じ、堪らんわあっ」


「・・・魔物のにおいが濃いのです」


安『その先におるのが以前カラメロの見た悪魔兵器やとしたら、相場を考えて三等魔級以上の馬力を持っとるやろうね〜。

今のところ廊下にそれ以上敵が見えへんから・・・さっきみたいな残党兵がまとめて待ち構えてるかもしれへん。カメラが少ないから確認できひんけど』



横「了解。アリスは引き続き有力な情報がないか探ってくれ。俺たちは、兵器と現場のようすを見てどう動くか判断する」


村「にしてもこの地下、どんだけ広いねんてっ」




・・・たしかに、もはやこの街全体の地下がひとつの施設になってるとしか思われへんくらいに、廊下は広いしまだ先に続いてる。


映画の世界やん、もう。


いったい誰がいつどんなふうにしたら、ここまでの巨大空間を秘密裏につくれるのか。




大「・・・・・」


錦「・・・おい童貞、生きとるか？」




先頭を走ってたはずの亮ちゃんの声が
いきなり耳元できこえたからビビった。


マジで忍者・・・いつ移動してきたんや


足を止めへんまま器用にピストルの弾を装填して、
ショート丈のライダースジャケットを羽織ったような形の戦闘服(ひとりひとりデザインが違う)のポケットに、それを突っ込んだ亮ちゃんは、




錦「今回の任務はちょっとあれやから、戦闘前線組の俺らはオマエの動きがどうとか見てやれてへんけど」


大「・・・うん」


錦「その・・・あんまし無理せずリーダーたちを頼っとけばいい」




そう言って、ドン！と肩を叩いてきた拳。


それからすぐ加速して先頭に戻ってまう細い背中を見ながら、俺は手の中の翡翠丸をぼんやりと握りしめる。





横「・・・抜けるぞ」





視界が開け、何か巨大な空間に出たことがわかった。




地下やというのに天井も高く、広い。




左右の壁は一部が透けていて、その向こう側にはコンピュータや機械が整然と並んで・・・たぶん、研究室になっとる。




そして、この広間の中央――――









村「・・・おいおいまさかの放し飼いか？」




横「山羊頭と翼・・・Baphomet(バフォメット)か」

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