御使いの解答 ページ40
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横「お前は賢いな、A」
言って横山はAの前髪を撫でた。
長い指先が滑っていき、頬をなぞって、そのちいさな顎を掴む形で静止する。
横「あれは、形代や。・・・
「・・・かたしろ」
横「ああ。神を以て神を制す・・・人の持つ力だけじゃあいつの中のもんは制御できひん。
あれは古くから星野家と親交の深い
遥か昔に眠った刀の封印を解くには、使用者の魔力を吸うことと、形代の本体である神剣・・・その持ち主であった龍神の血を吸うことが必要やった」
感情が透けない横山のひとみを、Aはめげずに見据え続ける。
「神剣って・・・まさか」
横「ああ。"草薙の剣"のレプリカや」
「・・・つまり今日たまたま暴発した彼の魔力が、刀に掛けられた呪詛の鍵を開けてオロチを出現させた」
横「そう、それで確信した。
八岐大蛇の出現は刀の使用者を試すギミックで、翡翠丸は、大倉が使うべき得物で間違いないってな」
きらりと、Aの左目に光が灯った。
ヘーゼル色のまばゆい光だ。
その瞳孔が、まるで猫や蛇のひとみのように縦に長細い形へと変貌していく。
「あんまりにも危険な賭けなのです。まだ刀も初心者の状態であんな魔物と対峙することになって、大倉さんに何かあったらどうするつもりだったのです？」
横「その場合はA、お前が全力を上げてあいつを護るやろうと踏んどったわ。だからいつその時が来てもいいように、お前を世話係につけた。
お前の中におる"ソイツ"なら、最悪一等魔も互角に戦えるやろ？」
「・・・裕さんはひどいのです」
悲しげに歪む表情を見下ろして、横山は微笑んでみせた。
横「すまんな。天使というのは時に冷酷でな・・・
確固たる証明が欲しかったんや。おかげであいつは上手いこと魔力を翡翠丸に循環させて、八岐大蛇の血を刀に吸わせることに成功した」
「・・・そんなことをさせてどうするのです？裕さんの目的が見えないのです。神剣の形代である翡翠丸を目覚めさせることに、いったいどういう意味があるのです」
Aの声にすこしの怒気が混じっている。
その右目にも灯るぼんやりとした光が、横山の不敵な笑顔を照らした。
右のバイオレットは、彼女が心髄から感情を乱しているときにのみ姿を現わすものであった。
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
