落とせない首 ページ20
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俺はどうしたらいい？
考えた直後にはまた違う頭が背後から迫っていて、
振り向きざまに刀を振るうと
偶然にもそれが大蛇の鼻先にヒットした。
悲鳴のような音を上げて、しゅるりと後退したそれは目を爛々と光らせて俺を睨む。
うわ〜〜怒らせた！！！めっさ怒らせた！！！
毒を撒き散らして威嚇するバケモノは、正直マジ、逃げ出してしまいたいくらいおっかない。
「くっ・・・強、」
Aさんは、ほぼ一点集中で俺を狙いにくるその物の怪の８つの頭を、的確に追い払っては攻撃を仕掛けていた。
クロスさせた双剣は毒牙を弾き飛ばし、
軽やかに地を蹴った脚は蛇の下顎を打撃する。
瞬時に力強く振り抜いた両手の剣で、べつの頭を後退させる。
「軍のレーダーに引っかかったら、応援がくる、はずなのです。
それまでなんとか逃げ切るのです！」
言いながら、休みなく襲いくるバケモノの攻撃を薙ぎ払い、乱舞するように斬りかかっては大蛇の頭を落としに狙う。
「はやいっ・・・当たらないっ」
大「Aさ・・・」
俺は、どうしたら、いい？
四方八方から迫る牙と毒を避けるのに精いっぱいで、手も足も出ないとはまさに、こういうこと。
ある程度とはいえ
ここ数ヶ月で場数はこなしてきたつもりやけど。
あまりにも、強さのケタが違いすぎて。
「ッ・・・」
大「うわっ」
４つの頭がまとめて来た、
３つはなんとかかわしたけど、あともう１つが体勢的に避けきれへんっ
悪あがきで刀を出したそのとき、横からAさんが抱きついてきて、後ろに倒された。
スレスレのところを通っていく、牙。
尻もちをついた状態で、
俺の足下にひらりと落ちた白い布切れ。
Aさんの体操服の左袖が破れてしまっていた。
よく見るとケガはしてないようやけど
一瞬ヒヤッとして、変な汗が滲んだ。
大「ちょっ大丈夫な、」
「平気なのです」
Aさんが、どこからか取り出した護符を
俺の胸に貼りつける。
すると瘴気が逃げ、スッと軽くなる身体。
今、初めて知った。
Aさんの左の肩には、バーコードのような模様の黒い刺青が入っていた。
「っ！」
大地が揺れ、腕を引かれた――――真上から襲いにきた大蛇の頭が、地面に突っ込んでいく。
「・・・くそ・・・」
なんやろう。
つぶやくAさんの横顔が、一瞬、べつのひとに見えた気がする。
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
