脈動 ページ14
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大「そ、そんなわけないやろ?
第一俺、エルちゃんとは付き合ってなんかないし」
思ったより大きい声になってしまった。
なるべく平静を装って言い切ったところで
タイミングよく鳴り響いた授業開始のチャイム。
か、神さま・・・!!あざす!!
カレンはとくにそれ以上追求することもないまま
じゃあまたね、と言って教室に引っ込んでいく。
象並みのため息が出た。
ひとまずほっと胸を撫でおろす・・・と同時に、
周囲からきこえてきたのは不穏な会話。
女「うわ、やっぱ大倉くん、星野さんと付き合ってはないんだ・・・」
女「最低だよね、遊びたいからって・・・」
女「責任とか、負いたくないんでしょ。これだからああいうチャラい男は・・・」
なんっっっでやねーーん!!!!!
村上さんばりのキレッキレツッコミが飛び出したけど、心ん中やから誰にも届いてへん。
唯一Aさんだけがプルプルなりながら
必死で笑うのを堪えてる。
次第に人波の引いていく廊下でぽつり、
取り残された俺たちは。
大「ホンマに勘弁してほしい」
「大倉さんって絶対わるものになるのです」
大「てか、助けてよ!?まじで変な汗かいたって・・・朝っぱらからカロリー高すぎ・・・」
「あのタイミングでわたしが話しかけたら余計に怪しいのです。ともかく切り抜けられてよかったのです、軍のお世話にならなくて」
大「いざとなったら記憶操作か・・・相変わらず恐ろしい組織やな」
「そんな組織の一員なのです、大倉さんも」
まったくもってその通りやった。
ワイシャツの中に隠した翡翠丸のネックレスを触りながら、俺はがっくりと肩を落としてうなだれる。
ああ・・・この先もずっとこんなピンチと背中合わせのまま生活していくんや・・・
改めること何回目か知らんけど、
自分のこの特殊な(らしい)からだといい先の見えへん未来といい、考えたら絶望しか思い浮かばへんのやから俺ってばなんてかわいそうなヤツなんや。
神さまのアホ!!
大「っ!」
「? どうかしたのです?」
となりを歩くAさんが、とっさに立ち止まった俺を見て不思議そうな顔をした。
・・・なに、今の?
違和感をおぼえた後ろ首に手を当てる。
一瞬、ドクッと引き攣るように脈動した首筋はでも、俺の指先へ特に変わりない脈拍を伝えている。
大「・・・や、なんでもない」
「はやく行くのです。授業に遅れてるのです」
大「うん」
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます!わああとってもうれしいです、励みになります!(;;)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね! (2020年7月2日 1時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです!シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました!一気に読み進めて続きが楽しみです!更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(;;)ありがとうございますなのです!(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です!私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べに | 作成日時:2020年5月22日 21時