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25.懇切 ページ26

Asaid








「ん……」





目を覚ますとみえたのは医務室の天井







あれ



夢の続きは?





一番見たかったのはそこなのに





私はあの日助けてくれたのが太宰さんだったって確信付たかった






確かあの後




誰かに助けてもらって



此処と同じ場所で治療をしてもらったのを覚えている




そして龍之介君と闘って深手を負い此処に来てから私の足は車椅子へと変わった









「大丈夫かい?
相当魘されていた様だけど」







「あ、太宰さん!」





私の隣にいたのは椅子に座って本を読んでいる太宰さん




私は上半身を起き上がらした






「悪い夢でも見ていたのかな」







其の問いかけに私は素直に頷いた








「どんな夢だい?」






その声は煽るような声でなく私を安心させていく不思議な声





「過去…
過去の夢」






そして何故かその声に私は素直に応えてしまう









「ねえ、太宰さん」








「なんだい?」








太宰さんはパタリと本をとじて私と目を合わせた




何だかそれが私には恥ずかしくて俯いた








「…今日は、誰も殺 してない?」






私はそう聞いた


少しの沈黙後






「嗚呼、Aは一人も殺めていない」







「…良かった」






私は微笑んだ




また雪が舞ったけど太宰さんは何も云わなかった







「後、ひとつだけ質問、してもいい?」









「嗚呼」








私は息を呑んだ



それと少しの勇気を釣り絞った







「太宰さんは、私の傍から消えない…?」








答えてもらえなかったら
そう考えると少し怖かったけど





もう大切な人が消えないでほしい




そして今

私が一番に傍にいて欲しい人は太宰さんだったから





私は確かめたかった








「勿論、Aの傍から離れないよ
Aは放っておけないからね」









私は少し驚いた




そして何故か涙が出そうになる








「今日は泣き虫なんて云わないから泣き給え」









「…うん!」







気づけば私は太宰さんの胸の中で泣いていた









「怖かった…!もう独りになりたくなかった
誰も変わって欲しくなったのに…!」








私はいつの間にか心に溜め込んでいたものを全て吐いていた





そして太宰さんは強く抱き締めてくれた









「辛かったのだね」





ただただそう云って

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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中二病メープル - 太宰さんツンデレ?好きな女の子には嫌がらせしたい的な。すっごく面白いです! (12月3日 9時) (レス) @page36 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 凄く面白かったです!これからも、更新楽しみにしてます!頑張ってください(*^-^) (2018年3月26日 16時) (レス) id: fb750e4c11 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 響華さん» あ!!お恥ずかしい…笑ありがとうございます! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ウンディーネさん» ファンですか……?!こんな駄作に…ありがとうございます!頑張りますっっ!! (2018年3月3日 21時) (レス) id: 170cdda07e (このIDを非表示/違反報告)
響華 - said×→side○ (2018年2月12日 18時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なの | 作成日時:2017年11月2日 19時

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