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「リシさん全然酔わないですね?ちっとも赤くなってないじゃないですか!」

「僕は酔っても赤くならないタイプだからね」

「え、なにそれずるい!聞いてないですよ!」


僕が赤くなったところなんてそんなに見たいものか…?

この子は本当によくわからないことを要求してくる。意地になって見せないのは僕の方だけど。

でも別に見たって面白いものではないだろう。


「君ってほんとに変わってるよねぇ」

「そうですかね? まぁよく言われますけど」


零れ落ちた呟きにえへ、と笑顔を返された。

素直に可愛いと思ってしまったあたり多分僕もそれなりに酔いが回ってきてる。


「やっぱりリシさんの中の私は変人ポジですか〜」

「僕にとってのAは“黙ってれば可愛い”って言葉をそのまま体現したような子だよ」

「えー、それ褒めてます?」

「口を開けばやかましわ意味不明だわで本気で残念」

「なるほどこれは褒められてませんね?」


オレンジジュースを口に含んだAは頬杖をつく。
僕ももうアルコールはやめにして水を頼んだ。

すると、彼女が僕を見ないままで口を開いた。


「んー、私にとってのリシさんは…」

「え?」


店員さんから水を受け取って彼女を振り返る。彼女はそこまで言って、一旦止まって、悩むように首を捻る。

そして、やがて少し照れたように笑って言った。


「憧れ、ですかね」

「…へ」

「本当はこうやって話せるようになる前からリシさんのこと見てたんです。リシさんはすごいなぁ、リシさんみたいな人を目指そうって」


……憧れ?

いきなりすぎるカミングアウトに思考は動きを止める。完全に固まった僕を前に、Aはなお続けた。


「だから嬉しいんです、偶然とはいえリシさんの違う一面が見れて。だから私はリシさんの色んな表情が見たいんです」

「……」


変わってますかね、と緩く笑う。なにも言えずにただ彼女のことを見つめた。

長い睫毛が数度上下して、数秒後にはもう開かなくなる。そうなって初めて、はっと我に返った。


あ〜〜〜もう、本当にこの子は…!


「…失敗した」


もう何度目かわからない言葉を繰り返した。

いま寝てくれて助かった。目を開けたところも、赤くなってるところも、今日は見られずに済んだ。

この子は時々思わぬ角度から突いてくるから怖いんだ。本人はわかってないから尚更タチが悪い。

えらく幸せそうな寝顔を見つめて、黙って頭を撫でた。

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設定キーワード:名探偵コナン , 紺青の拳 , リシ・ラマナサン   
作品ジャンル:恋愛
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Mizuna(プロフ) - リシさんかっこいいですね。早く続きが読みたいです(笑) (9月10日 0時) (レス) id: df9e804b97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2019年7月7日 21時

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