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えーと、リシさんリシさん…あった。

見慣れた名前の下の通話ボタンを押す。しばらく待てば、コール音が止んで掠れた低めの声が聞こえてきた。


「……なに」

「生きてましたか」

「勝手に殺すな」


そう返した彼はケホ、と軽く咳き込む。

おおう、間違いなく風邪である。そしてこれは9割私のせいだ。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫…書類は明日見るから机に置いといて」

「わかりました。今日はゆっくり寝て下さいね。あとで色々買ってリシさんの家に持っていきますんで」

「…は?ちょっと待っ」

「それじゃ、また」


そのままブチッと通話を切った。なんかリシさんが言いかけた気がしたけどまぁいいや。

隣の席に彼がいないのはやっぱりどことなく寂しい。

なんて感じてしまうのは…うーん、なんでだろうね。空間的喪失感かな。それともやっぱりそれなりに仲良しなのかも。

さて、今日は定時で上がれるように頑張ろう。

パチンと頬を叩いて気合いを入れ直し、パソコンのディスプレイを睨んだ。





リシさんの家の場所は一応知ってはいる。

前に急ぎの書類を届けたことがあったのだ。
といってもポストに入れて帰っただけだから中に入ったことはないけど。

ま、どうせ今日も渡すものを渡して中には上がらず帰るだろう。


薬やら飲み物やら食材やらを詰めた袋を手に、記憶の中の道を辿る。

蒸し暑い空気が頬を撫でて、今日も暑いなぁと汗を拭う。

そうして歩いていれば、少し迷ったものの無事に見覚えのあるマンションに到着した。

お、ここだここだ。リシさんの部屋の前に立ち、インターホンを押す。

平凡な電子音が鳴ってしばらく経ったが、しかし反応はない。

…流石に外出中ってことはないと思うんだけどな。寝てるかな?

もう一度押してもやっぱり無反応。

うーんどうしようかな、と思いながらドアノブを捻る。と、まさかのドアが開いた。

まじか鍵かかってないじゃん、珍しく不用心だなリシさん。

流石にちょっと躊躇ったが、それでも買ってきたものだけは置いて帰ろうと思って部屋の中を覗いた。


「お、おじゃまします…」


何故か小声でそう言ってソロリと足を踏み出す。

リシさんは思った通りベッドの上で眠っていた。

寝顔となると更に幼くなるんだな、と思いながら彼を眺める。29歳とはにわかには信じがたい。

…いや見てないでさっさと冷蔵庫に食材詰めて帰ろ。

起こさないように音を立てないように作業を進め、立ち上がった。

13→←11 二面性上司を看病したい



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設定キーワード:名探偵コナン , 紺青の拳 , リシ・ラマナサン   
作品ジャンル:恋愛
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Mizuna(プロフ) - リシさんかっこいいですね。早く続きが読みたいです(笑) (9月10日 0時) (レス) id: df9e804b97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2019年7月7日 21時

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