04：レモンパイ ページ5
コナンside
小日向Aは俺のクラスメイトである。
といっても、江戸川コナンの、ではない。工藤新一の、だ。
帝丹高校2年B組。
どことなく人を寄せ付けない雰囲気を漂わせた、小日向グループのお嬢様。
特に関わりのなかった彼女を初めて目に留めたのは、１年の最初の中間テストが終わった時だった。
俺と全く同じ点数で同率１位だったのだ。
たまたま俺の横で順位表を見上げていた小日向は、こちらを見もせずに教室に戻って行った。
そしてその次の期末試験。
二人揃って満点。またもや同率１位だった。
その後も並び続ける順位。
あいつが満点の時は俺も満点。俺が１問ミスればあいつもまた１問ミスってる。
そんな偶然が続いて４度目。
二学期の期末が終わった時、隣あった同じ数字を見上げながら、これまた偶然隣にいた彼女に声をかけたのだ。
かけた言葉ははっきりとは覚えていない。
｢こんな偶然あるんだな｣とか、｢毎回同じとか逆にすげえよな｣とか、そんな軽い言葉だったように思う。
しかし、小日向の返事は違った。
返ってきたのは、これでもかというほどドスの効いた『は？』であった。
深窓のご令嬢と密かに呼ばれていたお嬢様とは思えないほどの鋭い睨み。
綺麗な顔でのその視線はとんでもなく怖かった。
どうやら気づいてなかっただけでかなり目の敵にされていたらしい。
『調子に乗らないでくれる？次は絶っっっ対負かしてやるんだから』
ふんっと顔を背け、艶かかな黒髪を揺らして教室へ戻る小日向。思わず目を点にして固まった。
め、めちゃくちゃ負けず嫌いじゃねえか…
しかしそんなことを言われて黙っていられる俺でもない。
おかげで定期テストは未だに二人揃っての１位が固定である。
俺と小日向の決着はついていないままだ。
そう、俺の知る小日向Aは、負けん気が強くて、愛想なんてものは振り撒かず、いつだって背筋を伸ばしてまっすぐ前を向いている凛としたクラスメイトであった。
だから…こんな、喫茶店のイケメンアルバイターにニコニコ笑って話しかけている彼女を、あの小日向だとはどうしても信じられないわけで。
『安室さん！この問題わからないんです、教えてくれませんか？』
ポアロのカウンター席で勉強中だった彼女はそう言って柔らかく笑う。
いやいやいや誰だお前は。
ていうかそれ数学の問題だろ。
どんな模試でも数学だけは１問も間違わないお前が教科書の問題がわからないとかあるわけないだろ。
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紅个 - 面白いです！ 頑張ってください。 (7月18日 9時) (
レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅狐 - ◎ (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
紅湖 - 面白い (7月18日 9時) (レス) @page2 id: 5d6bcaafb9 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ(プロフ) - はい！降谷さん格好よく書けてます！！大好きです！！良かったらボードで話しませんか？降谷さん語りましょう！！ (2019年4月8日 16時) (レス) id: 36c4c5cb96 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 1さん» ありがとうございますー！続編でも頑張りますね！よろしくお願いします！ (2019年4月5日 21時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2019年3月3日 21時
