顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！ ２【降谷零/安室透】

epilogue 3：ブライダルベール ページ31

『いくら協力者って言ったってこれは流石にこき使いすぎですふざけるなぁぁ！！！！』


前 言 撤 回 。

なにが仕方のないことだ。仕方なくない。物事には限度ってもんがあるでしょう！？

だって！今！えーと、2…いや3徹目！ふざけてる！

私の叫び声に、目の下にクマを作った降谷さんが顔を顰めた。


｢うるさい、文句は後で聞くから早くやれ｣

『は！？それが人に頼み事をする態度ですか！？
私いま３徹目！！寝不足はお肌の天敵なのに！降谷さんいいんですか！？私の肌がボロボロになりますよ！？』

｢それは困るな寝てきていいぞ｣

『なんか腹立つからいいですやります！！』


ほんっっとムカつく！！例によって肉に釣られてノコノコ本庁まで来たら現役時代に引けを取らない激務。

明日の朝までと言われた案件をひたすら片付ける。


『癒しが足りない！！降谷さん笑って下さい！！あなたの顔見たら頑張れる！！』

｢無理…笑う元気ない…｣

『ちょっと降谷さんなに寝そうになってるんですかぶん殴りますよ！？』

｢なんでお前そんな元気なんだよ…むしろお前が俺の癒しになれ。顔はいいんだから役に立ててくれ｣

『それ褒めてます？』

｢褒めてるよ｣

『いや今のは褒めて…え！？褒めてたんですか！？』


いつものやり取りをいきなりくじかれた。

降谷さんはイタズラっ子のように笑う。

笑えてんじゃん！！はぁ！？なにその笑顔可愛い！ずるい！！

なんとも言えない気持ちになってぐぬぬ…と引き下がり、また書類に向かう。

するとふとあることに気がついた。

…あれ？今やってるこれって…


『…降谷さん』

｢どうした｣

『…これ、来週までのやつです。明日までのはこっちの山じゃないですか…？』


眠そうな彼の目が徐々に大きくなる。

そして書類の山を確認し、その顔が絶望に染まった。なんてこった。



『もうやだ帰るぅぅぅ！！』

｢待てやめろ帰るな朝までに死ぬ気で終わらせろ！！｣

『なんで間違えてんですかどんだけ寝てないんですかバカじゃないの！！』

｢仕方ないだろ！大体お前もなんで今まで気づかなかったんだ！！｣

『出た出た出た責任転嫁！！ありえない！！』

｢いいから早くやれって！｣

『だから人に頼み事をする時は言い方ってもんが…あぁもう！』


同時にバンッと机を叩く。

ゴリラが叩いた方はメキッと嫌な音がした。



『｢顔が良ければ全て良しだと思うなよ！！｣』


今日も今日とて協力者ライフ、頑張ってます。




fin

あとがき→←epilogue 2：クローバー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す