question �� ページ10
そう気づいた瞬間、背筋に冷水をぶっかけられた気分になった。
体が強ばる。なんとか隠そうとしたけど、ゼロくんにバレないわけがない。きっと気づかれたのだろう。
彼は大きな手で私の頬を包み込む。
そして真っ直ぐに私の目を見据え、はっきりと言い切った。
｢大丈夫だ。君だけはなにがあっても僕が守る｣
そう言われた直後、自分の額から可愛らしいリップ音がした。
まさかのおでこにちゅーのおまけ付きだったらしい。
ぶわっと顔に熱が集まって、慌てて彼から遠ざかる。
き、キザすぎる…かっこいいから似合ってるけど…
けれど、今ので体から力が抜けた。
不安なんて一気に消し飛んでしまった。
あはは、適わないなぁほんとに…
『…ありがとう、ゼロくん』
緩く笑ってそう告げる。
するとゼロくんも小さく微笑み返してくれ、私にパーカーのフードを被らせた。
｢いいか？次に僕が来るまで絶対にここから出るな。誰かが来ても扉は開けるなよ｣
『え、でも推理クイズ…』
｢そんなの無視していいから。
終点に着いても降りないで待ってろ。絶対迎えに来る｣
『…うん、わかった』
｢いい子にしてるんだぞ｣
『子供扱いしてるでしょ』
してないよ、なんてゼロくんは笑うけど、最後のは確実に子供扱いしてた。
彼はこれから潜入先での任務があるのだろう。
音を立てないように部屋の鍵を開け、最後に私の方を振り返った。
『…気をつけてね、ちゃんと待ってるから』
そう伝えれば、彼は何故か瞳を大きくした。
その状態のままで数秒固まり、そしてすんっとした表情になって一言。
｢そろそろ結婚しないか？｣
『しないってば。ほら早く行きなよ』
こんな時でも変わらない彼にため息をついて背中を押す。
彼は私の頭を軽く撫で、廊下に人がいないことを確認してから今度こそ部屋を出ていく。
車内で事故が発生したとアナウンスがあったのは、その後すぐのことだった。
知ってるぞ、こういう時の事故って大体殺人事件でしょ。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
