question �� ページ9
『うわ！？』
流石にこれにはびっくりして声を上げてしまった。
慌てて振り返れば、そこには見覚えのありまくる青い瞳。綺麗な金髪。褐色の肌。
……え、なんでこんなところにいるんだ。
『ゼロ、く…』
その名前を呼びかけた瞬間、強い力で手を引っ張られて部屋の中に引き込まれた。
彼は驚くほどの早さで部屋に入り、鍵を閉め、カーテンまで閉めてから私の肩を掴んだ。
｢なんでこんなところにいるんだ！！｣
『…え』
いきなりのそんな声にビクリと体が揺れる。
彼は今まで見たことがないくらい焦っているように見えた。
今日の彼の服装はいつもと少し雰囲気が違う。
彼の瞳と同じ色をしたブローチはよく似合っているけれど、あまり見ない格好だ。
もしかして…と普段は冴えない勘が働いた。
もしかして、今の彼は警察官とは違う彼なのだろうか。そう、それこそ悪い組織に潜入しているような…
切羽詰まったような顔をしているゼロくんを見上げる。
すると彼はハッとして手の力を緩め、自分を落ち着かせるように長く息をついた。
｢…ごめん｣
『…ううん、大丈夫。
ここにいるのはたまたまチケットを貰ったからだけど…なにかあるの？』
そう尋ねれば、彼は私から目をそらす。
…私には話せないことか。
これはそれなりにやばいやつなのでは、と考えていると、ゼロくんは言いずらそうに小さな声で呟いた。
｢…君の顔を見られたら厄介な奴らが来ている｣
『えっ』
予想外すぎる言葉に目を見開いた。
え、なにそれ。どういうことだ。
私、なにか悪いことした覚えはないし悪い人たちと関わったこともないのに。
ゼロくんの言う“厄介”がどれほどのものかはわからないけど、けれど彼がこれだけ焦っているってことは相当なのだろう。
困惑気味な私の視線に、彼は目を逸らしたまま続けた。
｢君はあいつに似すぎてる｣
『……っ！』
そこまで言われてようやく意味がわかった。
私と景光お兄ちゃんは瓜二つ。
お兄ちゃんを知ってる人が私の顔をまともに見れば、大抵の人は兄妹だと気づく。
要するに、今ここに来ているのはお兄ちゃんが生前関わった“悪い奴ら”なのだ。
そして私が彼の妹だとその人達に知られてたら、“厄介”なことになってしまう。
じゃあまさか…その人達って、お兄ちゃんを殺した……？
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
