question �境将� ページ29
えふびーあい…ってアメリカの！？
ひえっと口から空気が漏れた。
なにそれ聞いてない。悪い人じゃないどころかバリバリ正義の味方ではないか。
ということは…彼もお兄ちゃんと同じ組織に潜入していたってことだろうか。
にしてもこれ、間違いなくトップシークレットなのでは…
『わ、私なんかが聞いてしまってよかったんですか…？』
｢構わないさ。スコッチ…君のお兄さんとはよく話をしたからね｣
そう言われて、別方向に飛んでいた意識が一瞬にして元の場所に戻った。
“スコッチ”。やはりそれは、お兄ちゃんのことを表す言葉だったらしい。
｢俺には妹がいるんだ。それを彼に知られた時、彼も２つ下の妹がいると話してくれた。
ミステリートレインの中で君を目にした瞬間すぐにわかったよ｣
『あぁ…やっぱりあの時気づいてたんですね』
｢生憎あの時はやることがあって君に声をかけられなかったんだがね｣
へえ、と相槌を打ちかけて動きを止めた。
…やることってまさか、あのあとの爆発……いや、やめよう。追究するのはよしておこう。私が侵してはならない領域だ。
それよりも優先すべきことがある。
私は知りたいことがあって今日ここへ来たのだ。
｢そろそろ本題へ入ろう。聞きたいことがあると言っていたな｣
タイミング良くそう切り出してくれた赤井さんに頷く。
小さく息を吸って、私は彼に告げた。
『…お兄ちゃんが死んだ時の話を聞きたくて』
｢……｣
『知らなかったらいいんです。
でももし知っていたら…どんな些細なことでも構いません。教えてくれませんか』
彼は黙って私を見つめる。
その綺麗な瞳から目を逸らさずに、グッと耐えた。
お互いがピクリとも動かず、重すぎる沈黙が流れる。
やがて彼は、ゆっくりと口を開いた。
｢…聞いてどうする｣
『前に進みたいんです。…ううん、本当は進みたくない。でも進まなきゃいけないんです。
いい加減ケジメをつけなきゃいけない。聞けばきっと、踏み出せると思うんです』
彼の目を真っ直ぐに見て、そう伝える。
私は弱くて、臆病で、きっかけもなく自分から踏み出すことはできない。
ここへ来るのだって何回足を止めそうになったかわからない。
でもきっと、この選択は間違いじゃないから。
『お願いします、赤井秀一さん』
｢…後悔しないな？｣
『ええ、決して』
私の目をじっと見返した彼は、息をついてソファに座り直す。
｢…わかった｣
その言葉に、私も背筋を伸ばした。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
