question �� ページ2
私には警視庁に務める兄がいた。
いた、というのも、彼はもうこの世にはいない。数年前に殉職したのだ。
深くは聞いていないけれど、潜入中に拳銃で、ということらしい。
名前は景光。顔は私と瓜二つ。
生まれた時からずっと一緒のとても優しい兄だった。
警察官になった途端に何故か音信不通になって、私の知らない間に帰らぬ人となってしまった。
私がそれをようやく知ることが出来たのは、１年くらい前のことだ。
教えてくれたのは兄の幼馴染。彼も兄と同じく警察官。
ずっと連絡を取っていなかったけれど、たまたま町中で再会したのだ。
いきなり兄の死を知らされて現実を受け止めきれなかった私を心配してくれたのか、彼はそれから度々私を食事に誘ってくれた。
初めて告白されたのは、それからすぐのこと。
昔とは比にならないくらい甘い言葉を吐きまくるな、とは思っていたが、どうやらそういうことだったらしい。
私は断った。しかし彼は小さい頃から変わらずなんとも諦めの悪い人なのだ。
それ以来ずっと、私は彼に口説かれ続けている。
軽いクラクションの音が夜道に響いて、私のそばに白い車が止まった。
運転席から降りてきた彼は｢おつかれ｣と言って微笑む。綺麗な金髪に透き通るような青い瞳。
助手席の扉を開けてくれる姿は恐らく世界で一番絵になる。
『お待たせしてすみません、降谷さん』
｢大丈夫、待ってないよ｣
彼は笑って首を振り、私が乗り込んでから扉を閉めた。
相変わらず…なんだっけ、あれ、すーぱーだーりん？
次いで運転席に座った彼は、シートベルトを締めてハンドルを握る。
今日は夜ご飯を一緒に食べに行こう、ということだった。今日は、というか大体のお誘いがそれなんだけど。
｢どこか行きたい店とかないかい？｣
そう尋ねてきた彼に、私は間髪入れずに答えた。
『サイゼで』
｢…理由を聞いても？｣
『今日も私の財布は開かせてくれないんでしょう？
だったらせめて安いところにしようかなって』
｢何度も言ってるけど僕が誘ってるんだから気にしなくていいのに｣
『何度も言ってますけどお金のことはちゃんとしないと気がすまないんです』
少し強めに言えば苦笑を返された。
本当にこのすーぱーだーりんさんは、奢るばかりで私にお金を払わせてくれないのだ。
頻度だってそう少なくないし、気にするなという方が無理である。
すると降谷さんは、いきなり聞き捨てならないことを言い出した。
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Leil(プロフ) - うわ、久々に小説でガチ泣きした、、、、2人とも一途すぎんか、、、、そしてあんま関係ないけど相変わらず赤井さんかっこいいな。もうだめだ、読み終わったときのよく分からん喪失感がやばい。読むのが止まりませんでした。これからも頑張ってください！応援してます (2021年8月3日 18時) (
レス) id: 36e4ed7dad (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ゆりあさん» うわーーーん私の方こそ泣きますもったいないお言葉こんなにたくさんありがとうございます！！この感動を文字にできる語彙力がないのがすごく悔しいです…！最後まで読んでくださって素敵なご感想までくださって本当にありがとうございました！！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 体の水分が全て涙として出ていくぐらい泣きました。コメディもあるのに、メロドラマっぽさもあり、きゅんもあり、貪るように読ませていただきました！これからも応援しています！頑張って下さい。 (2020年3月27日 9時) (レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！！最後のところはすごく悩みながら書いた記憶があるのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^最後のシーン、すごく感動しました！涙腺崩壊しました！良い作品ですね！これからも、頑張って下さい^_^ (2020年1月18日 0時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年11月11日 21時
