＊*99 廉side ページ10
.
は？
いや、ちょっと待ってくれ···
Aは、そいつに協力すんの？
···何やねんそれ。
もしかして、俺の気持ちが迷惑だったとか？
その女と···俺が付き合えばいいとか
思ってるんやろうか。
考えれば考えるほど、嫌な方向に考えてしまう。
確かに、少し強引に行き過ぎた自覚はある。
けど、他の女に協力するって···
完全に脈ナシだって言われてるようなもんやろ。
階段を降りると
現れた俺にAは驚いた表情をした。
｢廉、くん···｣
｢そういうのって、自分で渡すもんやないん？｣
手紙を持った女にそう言い放つ。
｢あ···ごめん、なさい···｣
｢別に。···これ、もらってええの？｣
｢え···？｣
｢俺にくれるんやろ？｣
そう言って、俺は女から手紙を受け取った。
···やば。
なんか、どーでもいい気分やわ。
目の前の女は何を勘違いしているのか
嬉しそうな顔で俺を見ている。
｢A｣
なぁ、何でそんな辛そうな顔すんの？
｢教室に戻っとけ。もうすぐ授業始まる｣
｢廉、くん···？···廉くんは戻らないの？｣
｢俺はちょっとこの子と話してから戻るわ｣
これがお前の望みやろ？
なぁ···
｢A？聞こえへんかったか？｣
｢き、聞こえた···っ｣
｢じゃあ戻れって。チャイム鳴るやろ？｣
｢でもっ···｣
どうしてAが泣きそうな顔すんの···？
｢Aがおると話が出来へんから
席外してくれる？｣
自分でも言い方はきつかったと思う。
けどこれ以上、Aといたら
問い詰めてしまいそうだったから。
傷つけてしまう気がした。
Aは酷く悲ししそうな顔で俺を見つめてから
振り返って校舎へ入っていった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月29日 19時
