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「れ、廉くん···っ、あの、話が···あるの」



ガチャリ、とドアが閉まった音と

私の声が玄関に響いた。



早く言わなきゃっ···。





「何?あいつと帰るの楽しかったって話?」





そう言って振り返った廉くんの顔は

とても冷たかった。



怒ってる···?





「そういえば今日、用事があったから

一緒に帰れないんじゃなかったの···?」





話題を変えようとそんな質問を投げかけると

廉くんは面倒くさそうに一言。





「用事はまぁ、あったっちゃあったけど」



「も、もしかして···朝の女の、子?」





そうだったら···っ。


不安で胸がいっぱいで、ザワザワする。






「それってAに関係ある?」



···っ。

そんなこと言われたら···何も言えない···。





「ごめん、なさい···」



私はそれしか言えなくて思わず俯いてしまう。






「···告白された」




けれど廉くんのその言葉にバッと顔を上げた。


嫌な予感が的中する。




告白···やっぱり、されたんだっ···。







「俺のこと、死ぬほど好きなんやって」



「返事は、したの···?」



「まだ」




心臓が酷く痛くて

泣きそうになったのをぐっと堪えた。






「でも···まあどっちでもええかなって」




な、何それ···。




「廉くんは···その子のことが好きなの···?」



「さぁ?でもまあ、好かれて悪い気はせんし

振る理由もないかなって。

付き合うのもありやなって思ってさ」




今度こそ、もう私は限界だった。


心臓が、いくつもの棘で突き刺されるような痛み。




付き合うのもありかなって···

廉くんはそんな感じなんだ。




あ、あれ?もしかして私の勘違い?



廉くんの気持ちにちゃんと返事しなきゃって

向き合わなきゃって思ってたけど···

大して私のこと好きじゃなかった?







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作者名:なっちゃん | 作成日時:2020年7月29日 19時

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