＊*108 廉side ページ19
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｢それ、本当…？｣
涙が少し引いたのか
恐る恐るといった感じで問いかけてくる。
｢ほんと。俺が好きなのはAだけ。
嘘ついてほんまにごめん、泣かせてごめんな…？
だから、俺のこと信じて…｣
抱きしめる腕に想いを込めた。
｢っぅ、ひ、酷いよっ…
私、もう飽きられちゃったかもって思って
もう振られちゃうかと思って…っ｣
あー···。
可愛すぎる。
もう、その言葉しか出てこない。
こんなにも泣かせて酷いことをしたと
反省としているけど
俺のためにここまで泣いているのかと思うと
バカみたいに舞い上がってしまう。
さっきまでイラついていた俺はどこへ行ったのやら。
もう今は、世界一幸せだと叫べるほどに
俺は満たされていた。
｢A…好きだよ。
俺と、付き合って？｣
｢…ん、うんっ…廉くんの、彼女になりたいっ…｣
Aは泣きながらも懸命に俺を見つめて
そう言ってくれた。
〜っ、はっ…
｢〜あー、A、俺幸せでどうにかなりそう｣
浮かれすぎだと言われたって
もう何でもいい。
Aを抱きかかえて、その場でぐるりと回る。
細い首筋に顔を埋めて、力強く抱きしめた。
｢わ、私もだよっ…｣
｢なあ、いつから？ほんまに？
今でも信じられへんのやけど、Aが俺を好き？
ほんまに無理やって、ニヤける｣
どうやら俺は頭のネジが
いくつかぶっ飛んでしまったようで
自分でもこの奇行を止められそうになかった。
Aも、俺のはしゃぎように驚いているようで
目を見開いている。
やばい…こんな浮かれてたら引かれるって、
落ち着け俺。
｢ほ、ほんとに好きだよ？大好きっ…｣
................。
いや無理。これが落ち着けるわけが無い。
Aは可愛すぎる発言をし恥ずかしいのか
俺の肩に顔を埋めてぎゅっと抱きついてきた。
ノックアウトなんてもんじゃない。
完全に心臓を撃ち抜かれた。
｢A｣
｢きゃっ…！｣
リビングのソファにAを寝かせて
押し倒すような体勢になる。
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月29日 19時
